コパイロットのAIとは、Microsoftが提供するAIアシスタント「Copilot」の総称で、無料で使えるCopilot Chatと、有料のMicrosoft 365 Copilotなどに分かれます。会社で使う場合は、対象のMicrosoft 365のライセンスがあれば無料のCopilot Chatから始められ、社内のメールやファイルをAIに自動で探させたいときに有料のライセンスが要ります。
この記事は2026年10月17日にMicrosoft Learnと、Microsoftの個人向けCopilotのページで確かめた内容です。Copilotは名前や機能の変更が多いため、契約の前にMicrosoft Learnの「Microsoft Copilot とは?」のページで最新の比較表を確かめてください。
この記事の答え
- Copilotは、MicrosoftのAIアシスタントの総称です。会社では、対象のMicrosoft 365ライセンスに含まれる無料のCopilot Chatから始められます
- 無料版は、資料を自分で貼り付けたりアップロードしたりして渡す使い方です。社内のメールやファイルを自動で探させるには、有料のMicrosoft 365 Copilotが要ります
- まず職場のアカウントでcopilot.cloud.microsoftにサインインして使い、資料を毎回渡す手間が大きいと分かってから有料版を検討します
コパイロットのAIとは?Microsoft Copilotの意味と読み方
Copilotは、MicrosoftのAIアシスタントの総称
Copilotは「コパイロット」と読み、英語で副操縦士を意味します。人が操縦し、AIが隣で手伝うという意味を込めた名前です。Microsoftは、質問に答えるチャットのAIアシスタントだけでなく、Word・Excel・PowerPointの中で動く機能や、開発者向け・セキュリティ担当者向けの製品にもCopilotという名前を付けています。社内で「Copilotを使いたい」という声が出たら、どの製品のことかを最初に確かめてください。
名前も変わり続けています。2026年10月時点のMicrosoft Learnでは、Microsoft 365 Copilotの名前がMicrosoft Copilotに、Microsoft 365 Copilot ChatがMicrosoft Copilot Chatに変わったと案内されています。移行期間中は古い名前も残るとされているため、この記事ではMicrosoftの比較表の項目名に合わせて「Microsoft 365 Copilot」と書きます。
ChatGPTなどほかの生成AIとの違い
Copilot ChatもChatGPT・Gemini・Claudeも、文章の作成や要約、調べものに使える点は変わりません。違いが出るのは、ふだん使っている業務ソフトとつながるか、会社の契約の中で管理できるか、無料でどこまで使えるかの3点です。Microsoft 365を全社で使っている会社なら、Copilot Chatは追加の契約なしで管理の仕組みに乗せられる点が選ぶ理由になります。
無料版と有料版の違い:Copilot ChatとMicrosoft 365 Copilot
Microsoftは会社向けのCopilotを、ライセンスの状態によって3つに分けて説明しています。差が出るのは、AIが何を元に答えるかと、Word・Excelなどのアプリの中で使えるかどうかです。
| 比べること | Copilot Chat(Basic) | Microsoft 365 Copilot(Basic) | Microsoft 365 Copilot(Premium) |
|---|---|---|---|
| 費用 | 対象のMicrosoft 365ライセンスに含まれる | Copilotの追加ライセンスは無い | Copilotの追加ライセンス(有料)が要る |
| AIが答えの元にする情報 | Webの情報 | Webの情報 | Webの情報と、社内のメール・ファイル・会議などの組織データ |
| 社内の資料をAIに渡す方法 | 自分で貼り付け・アップロードする。OutlookとTeamsでは開いている内容を読む | 無料のCopilot Chatと同じ | Microsoft GraphとWork IQを通じて、AIが自動で探して読む |
| Word・Excel・PowerPoint・OneNoteの中のCopilot | 使えない | 使える(混み合うと待たされることがある) | すべての機能を使える |
| 混み合う時間でも優先して動くか | 優先されない | 優先されない | 優先される |
| エンタープライズデータ保護 | 対象 | 対象 | 対象 |
Microsoft 365 Copilot(Basic)は、追加のライセンスは無いものの、会社の契約と設定によってWordやExcelの中のCopilotを使える人を指します。この「標準アクセス」は、サービスの空き具合に左右され、1日の中でも使い勝手が変わることがあるとMicrosoftは説明しています。有料の追加ライセンスがある人は「優先アクセス」になり、利用が集中する時間でも応答が速く安定しやすくなります。
無料のCopilot Chatでできること
Copilot Chatを使うのに、Microsoft 365 Copilotのライセンスは要りません。Microsoft Learnによると、無料のCopilot Chatで次のことができます。
- Webの情報を調べて要約する
- 文章を作る・書き直す
- アップロードしたファイルや文書を分析する
- 画像を作る
- エージェント(決まった役割を持たせたAI)とやり取りする
エージェントのうち、指示と公開されたWebサイトを元に動くものはCopilot Chatに含まれます。社内のデータを読むエージェントなど、それ以外のエージェントは使った分だけ費用がかかる従量課金です。なお、個人のMicrosoftアカウントで使う無料版のCopilotもあり、個人向けの有料プランはその無料版より多く使えると案内されています。
Word・Excel・PowerPoint・Teamsでできること
WordやExcelなどアプリの中でCopilotを使えるのは、上の表でMicrosoft 365 Copilotの区分に当たる人だけです。Microsoft Learnは、アプリの中で使える機能を次のように挙げています。
| アプリ | Copilotでできること |
|---|---|
| Word | 文書の下書き、書き直し、要約 |
| Excel | データの分析、数式やグラフの作成 |
| PowerPoint | 指示や既存の資料からのプレゼンテーション作成、要約、画像の追加や書式の一括変更 |
| Outlook | メールの下書き、やり取りの要約、伝わり方を良くするための助言 |
| Teams | 会議の要約と文字起こし(最大30日分)、やることの書き出し |
| OneNote | 計画やアイデアの下書き、リストの作成 |
Teamsの会議の要約と文字起こしは、会議の音声から議事録を作るAI議事録の機能の1つです。専用のツールとの違いや無料で使える範囲は、次の記事で比べています。
PowerPointでは、指示文や手元のWord文書からスライドの下書きを作れます。社外に出す資料は、数字や固有名詞を人が確かめてから使います。
Excelでは、Copilotのほかに、Claudeなど別のAIをExcelの中で使う方法も出てきています。表の分析にどのAIを使うかは、会社が契約しているサービスと、扱うデータを社外のサービスに渡してよいかで決まります。
無料のCopilot Chatは社内データを読めるか
自動で社内データを探すのは有料版だけ
無料のCopilot Chatは、社内のメールやファイルを自分から探しには行きません。 Microsoft Learnは、無料版でMicrosoft Graphを通じて組織データを使うことはできないと書いています。無料版で社内の情報を元に答えさせる方法は、次の3つです。
- 質問と一緒に、内容を貼り付けるか、ファイルをアップロード・選択して渡す
- OutlookやTeamsで、メールや会話を開いたままCopilot Chatを使う(開いている内容を読むため、貼り付けなくて済む)
- 社内のデータを読むエージェントを、使った分だけ費用を払う従量課金で使う
Outlookでは、ライセンスが無くても受信トレイ・予定表・会議など限られた範囲について質問できます。
有料のMicrosoft 365 Copilotでは、Microsoft GraphとWork IQを通じて、本人のメール・ファイル・会議・予定表・チャットなどから必要な情報をAIが自動で集めます。「先週の取引先とのやり取りをまとめて」と頼むだけで、メールと会議とチャットをまたいで答えられるのが有料版の違いです。
有料版でも、見られるのは本人が開ける範囲まで
Copilotは、その人がもともと開ける権限を持つ情報しか読みません。逆に言えば、共有の設定が広すぎて本来見せるべきでないファイルを誰でも開ける状態だと、Copilotの答えにもその内容が出てきます。Microsoftは有料版の機能として、共有の広げすぎを減らすSharePointの管理機能や、ファイルを機密の度合いで分類するMicrosoft Purviewを挙げています。有料版を入れる前に、社内データの共有設定を見直しておくと安心です。
入力した内容の扱いとエンタープライズデータ保護
職場のアカウントでサインインすると保護の対象になる
職場アカウント(Microsoft Entra アカウント)でサインインして使えば、無料のCopilot Chatでもエンタープライズデータ保護の対象になります。入力した質問とAIの答えは、ExchangeのメールやSharePointのファイルと同じ契約条件で守られます。
Microsoftは、エンタープライズデータ保護の内容として次を挙げています。
- 入力した質問とAIの答えは、AIの基礎モデルの学習には使われない
- 保存中と通信中のデータを暗号化し、会社ごとにデータを分けて扱う
- アクセス権限、ファイルの機密ラベル、保存期間の決まり、操作の記録(監査)がCopilotにも当てはまる
「商用データ保護」という呼び方を見かけることがありますが、現在のMicrosoftの文書ではエンタープライズデータ保護と書かれています。Web検索に送る語は別の扱いで、利用者と会社を特定する情報を外してBingの検索サービスに送られ、広告主には渡さず、AIの学習にも使わないとされています。
個人のアカウントで仕事の情報を扱わない
保護の対象になるのは、職場のアカウントでサインインしたときです。同じCopilotでも、個人のMicrosoftアカウントでサインインして会社の資料を貼り付けると、会社の契約の外で扱うことになります。管理者は、会社のパソコンで個人のアカウントにサインインできるかどうかを制御できます。
社内でCopilotを正式に使ってよいかは、情シスの審査で、データの保存場所や学習への利用、操作の記録が取れるかを確かめて決めるのが一般的です。
Copilotを無料で使い始める手順
職場のアカウントでCopilot Chatを開くまで
会社のMicrosoft 365が対象のライセンスなら、追加の契約なしで今日から使えます。手順は次のとおりです。
- 会社で使ってよいかを情シスに確かめる。管理者はCopilot Chatを止める設定もできる
- ブラウザで copilot.cloud.microsoft を開く。Microsoft Copilotのアプリを開いても同じ
- 個人のMicrosoftアカウントではなく、会社から渡されたアカウントでサインインする
- 質問を入力する。資料を元に答えさせたいときは、ファイルをアップロードするか内容を貼り付ける
ブラウザ以外にも、Copilot Chatを開く場所があります。
| 開く場所 | 開き方 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| Microsoft Edge | ブラウザの右上にあるCopilotのアイコンを選ぶ | 開いているWebページや文書の要約 |
| Outlook | Outlookの中のCopilot Chatを開く | メールや予定についての質問、返信の下書き |
| Teams | Teamsの中のCopilot Chatを開く | 開いている会話を元にした質問 |
| Microsoft Copilotアプリ | Web・デスクトップ・スマートフォンのアプリを開く | 調べもの、文章の作成、ファイルの分析 |
有料版を会社で入れるときの流れ
有料版は、ライセンスを買うだけでなく、割り当てと社内の設定まで済ませて使えるようになります。おおまかな流れは次のとおりです。
- 今のMicrosoft 365の契約が、Copilotの追加ライセンスを足せるプランかを確かめる
- ライセンスを買い、最初は全員ではなく使い方を試す数人に割り当てる
- Microsoft 365のアプリを新しい版にし、社内のネットワークでCopilotの接続先がふさがれていないかを確かめる
- 誰がどのファイルを開けるかを見直し、Copilotで扱ってよい情報を社内に知らせる
法人向けの価格は、契約の期間や支払い方によって変わります。Microsoftの法人向けMicrosoft 365 Copilotの料金ページで、契約期間と税の扱いと合わせて確かめてください。
個人向けCopilotの料金:無料版と有料プラン
個人で使う場合は、無料版のCopilotのほか、Microsoft 365の個人向けプランにCopilotが含まれています。2026年10月17日にMicrosoftの個人向けCopilotのページで確かめた料金は次のとおりです。
| プラン | 月額 | 年額 | 使える人 | Copilotについて |
|---|---|---|---|---|
| Microsoft 365 Personal | ¥2,130 | ¥21,300 | 1人 | Word・Excel・PowerPoint・OutlookのデスクトップアプリでCopilotを使える。無料版より多く使える |
| Microsoft 365 Family | ¥2,740 | ¥27,400 | 1〜6人 | Personalとほぼ同じ。AIの機能を使えるのは契約した本人だけ |
| Microsoft 365 Premium | ¥3,200 | ¥32,000 | 1〜6人 | Copilot Chatの利用枠が大きく、調べものや分析を代わりに進めるエージェントの機能が付く。AIの機能は契約した本人だけ |
個人向けプランは個人のMicrosoftアカウントで契約するもので、会社の職場アカウントで使うCopilot Chatとは別の契約です。PersonalとPremiumには1か月の無料試用もあります。社員が個人で契約したCopilotに会社の資料を入れると、会社が管理できる範囲の外で扱うことになるため、業務で使うなら会社の契約で配るほうが安全です。
名前が同じ別製品:GitHub Copilot・Copilot Studio・Security Copilot
Copilotという名前が付いていても、次の製品はMicrosoft 365 Copilotとは別のライセンスで買う別の製品です。Microsoft 365 Copilotのライセンスが無くても、それぞれ単独で契約できます。
| 製品 | 使う人 | できること |
|---|---|---|
| GitHub Copilot | ソフトウェア開発者 | プログラムのコードを書く手伝い |
| Copilot Studio | 業務の仕組みを作る担当者 | 画面の操作でエージェントを作り、社内外のデータとつなぐ |
| Security Copilot | セキュリティの担当者 | セキュリティ事故への対応、脅威の調査、情報収集 |
「社内でCopilotの予算を取る」と言うときに、どの製品の話かを取り違えると、必要のないライセンスを買うことになります。GitHub Copilotは開発者1人ずつのプランを選ぶ製品で、料金の決まり方もMicrosoft 365 Copilotとは違います。
自社は無料のCopilot Chatで足りるか
無料版で足りる使い方
文章の下書き、Webの調べもの、手元の資料の要約が中心なら、無料のCopilot Chatで足ります。資料を貼り付ける手間は増えますが、どの資料をAIに渡したかを本人が分かっているため、扱う情報の範囲を把握しやすい使い方でもあります。まずは全社で無料版を使えるようにし、どの部署がどんな使い方をしているかを見てから次を決めると、ライセンスを買いすぎずに済みます。
有料版を検討する使い方
毎日のメールや会議、共有フォルダの資料をまたいで探す仕事が多いなら、有料版の価値が出ます。たとえば、取引先ごとの過去のやり取りをまとめる、会議の内容から次にやることを洗い出す、Excelの表をその場で分析するといった仕事です。ただし、使う人ごとにライセンスがかかるため、最初は効果を確かめやすい数人に絞り、使う前と後でどの仕事の時間が減ったかを比べてから広げます。
まとめ:コパイロットのAIは無料のCopilot Chatから始め、社内データを使うときに有料版を検討する
- コパイロットのAIとは、MicrosoftのAIアシスタントの総称で、会社向けには無料のCopilot Chatと有料のMicrosoft 365 Copilotがある
- 無料のCopilot Chatは、対象のMicrosoft 365ライセンスに含まれ、資料を自分で渡す使い方になる
- 社内のメールやファイルをAIが自動で探すのは、有料のMicrosoft 365 Copilotだけ
- 職場のアカウントでサインインすれば、無料版でもエンタープライズデータ保護の対象になる
- GitHub Copilot・Copilot Studio・Security Copilotは別のライセンスの別製品
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よくある質問
社員がCopilot Chatをどれくらい使っているか、会社で把握できますか?
把握できます。Microsoft 365の管理者は「Microsoft Copilot Chatの使用状況レポート」で、アクティブなユーザーの数、送られた質問の合計、1人あたりの平均の質問数などを、7日・30日・90日・180日の区切りで見られます。WordやExcelなどアプリの中での使われ方は、有料のライセンスがある人を対象にした別のレポートで見ます。無料で配ったあと、使われている部署とそうでない部署を見分ける材料になります。
Copilotが使うAIのモデルは選べますか?
画面右上のモデルの切り替えから選べます。既定は「自動」で、質問の内容に合わせてCopilotがモデルを決めます。簡単な質問には速さを優先する「クイック応答」、込み入った質問には時間をかけて考える「深く考える」が使われます。Microsoftは新しいモデルが出るとこの選択肢を更新するとしており、どのモデルが使えるかは会社のライセンスと設定によって変わります。
会社としてCopilot Chatを使わせたくない場合、止められますか?
止められます。管理者は管理センターの「Copilotコントロール」で、Copilot Chatへのアクセスそのものを外せます。全面的に止めるほかに、Web検索を使わせるかどうか、画像の作成を許すかどうか、エージェントを誰が作れるかといった単位でも制御できます。社内ルールが決まるまで画像の作成だけ止める、といった段階的な使い方もできます。
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