Claude in Excel(Claude for Excel)は、AnthropicがMicrosoft AppSourceで提供している公式のアドインで、Excelのサイドバーから開いているブックについて質問したり、表を編集させたりできます。使えるのはClaudeのPro・Max・Team・Enterpriseの各プランで、Freeプランでは使えません。アドイン自体に追加の料金はかからず、いちばん安いProプランは月払いで月20ドル(年払いなら月換算17ドル)です。

この記事の答え

  • Claude in Excelは、Excelの中でClaudeに表の説明・修正・作成を頼めるAnthropic公式のアドインです
  • 無料版では使えず、個人ならPro、会社の情報を入れて部署で使うならTeam以上が対象です
  • 社内で使わせる前に、入れてよいファイルの範囲と、人が確認する場面を決めておきます

この記事の内容は、2026年10月11日にClaudeの公式ドキュメントと料金ページで確認した情報です。料金や対応環境は変わることがあるため、申し込む前にClaudeの料金ページ(claude.com/pricing)と公式ドキュメント「Use Claude for Excel」で最新の内容をご確認ください。

Claude in Excelとは:Excelのサイドバーで動く公式アドイン

Claude in Excelは、Excelの画面の右側にClaudeとの会話欄(サイドバー)を開き、いま開いているブックを読ませたり書き換えさせたりするための拡張機能です。Anthropicの公式ドキュメントでは「Claude for Excel」と呼ばれ、AppSourceでは「Claude for Microsoft 365」という名前で、Word・PowerPoint・Outlook向けのアドインとまとめて掲載されています。

ブラウザのClaudeにファイルを渡す使い方との違い

いちばんの違いは、ブックを外へ持ち出さず、Excelの中で直接セルを読んで書き換えられることです。ブラウザのClaudeにファイルをアップロードする使い方では、答えを読んで自分でExcelへ写し直す手間が残ります。アドインなら、Claudeが変更をそのままブックに入れ、答えにはどのセルを根拠にしたかが示されます。複数のシートにまたがるブックも扱えます。

無料で使えるか:対応プランと料金

Claude in Excelは無料(Freeプラン)では使えません。料金ページの比較表では、Claude for Microsoft 365はPro・Max・Team・Enterpriseに含まれ、Freeには含まれていません。アドインは無料でインストールできますが、サインインするClaudeのアカウントが有料のプランである必要があります。

プラン 月払いの料金(1人あたり) 年払いの料金(月換算・1人あたり) Claude in Excel 向いている使い方
Free 0ドル 0ドル 使えない Claudeそのものを試すだけ
Pro 20ドル 17ドル 使える 個人が自分の資料で試す
Max 100ドルから ― 使える 大きなブックを毎日使い、Proの上限に届く人
Team(標準シート) 25ドル 20ドル 使える 2〜150人の部署・会社で、業務の情報を入れて使う
Enterprise 料金ページで確認 料金ページで確認 使える 150人を超える、または管理の要件が厳しい会社

Excelでの利用は、ふだんのClaudeの利用と同じアカウントの使用量の上限を分け合います。Excelのために別の枠が付くわけではないため、ブラウザでもよく使う人ほど上限に届きやすくなります。Teamの席の種類や人数別の試算は、Claude Teamの料金の記事で詳しく比べています。

Claude in Excelでできること:数式の説明からエラーの原因探しまで

公式ドキュメントが挙げている機能は、財務モデルを例にしたものが中心です。ここでは、経理の月次の集計や営業の売上管理表のように、多くの会社で毎月作っている表に置き換えて紹介します。

機能 頼み方の例 Claudeがすること
ブックの説明 「集計シートのC42の合計はどう計算されている?」 数式をたどって説明し、根拠のセルをクリックで開けるように示す
前提の値の変更 「為替レートを150円から145円にして、関係する計算を直して」 数式のつながりを保ったまま値を変え、後ろのセルが計算し直される
エラーの原因探し 「部門別シートの#REF!の原因を探して」 エラーの元になっているセルを特定し、直し方を示す
表の作成・入力 「この試算表から月次の損益表を作って」 既存のひな形に数字を入れる、または新しい表を一から作る
Excelの操作 「担当者別にピボットテーブルを組み直して」 並べ替え・フィルター・ピボットテーブルの編集・条件付き書式・入力規則のプルダウンを作る

数式とセルの関係を説明させ、前提の値を変える

前任者から引き継いだ集計表のように、どこから数字が来ているか分からない表を読み解くのに向いています。答えにはセル単位の引用が付き、クリックするとそのセルへ移動するため、説明が合っているかを自分の目で確かめられます。「粗利の見込みはどの前提の値で決まっている?」のように、表全体の前提を洗い出させることもできます。

前提の値を書き換えさせても数式は壊れず、その値を参照している後ろのセルが計算し直されます。営業の管理表で「来期の単価を3%上げたら、四半期ごとの売上見込みはどう変わる?」と頼むような使い方です。既に入っているデータを上書きしそうなときは、実行する前にClaudeが警告を出します。

#REF!や#DIV/0!のエラーを直す

エラーの表示されたセルだけでなく、その原因になっているセルまでさかのぼって探します。シートを削除して参照先が消えた#REF!や、まだ入力されていない月の数字で割っている#DIV/0!のように、締めの作業でよく出るエラーの原因探しが短くなります。直し方は提案として出るので、採用するかは人が決めます。

ひな形への入力、コネクタとSkills

毎月同じ形で作る表は、ひな形への入力をまとめて頼めます。「この試算表から3つの財務諸表のモデルを作って」のように、表を一から作らせることもできます。外部のデータを取り込むコネクタ(S&P Global、LSEGなどの金融データ)と、決まった作業の手順を登録しておくSkillsにも対応しています。Skillsを使うと、部署で決めた集計の手順や書式をClaudeが毎回同じように当てはめます。

Claude in Excelの導入手順:インストールからサインインまで

導入は、自分のExcelに入れる場合と、管理者が会社のMicrosoft 365から配る場合で手順が分かれます。

個人でインストールする手順

個人で使うなら、AppSourceから入れてClaudeのアカウントでサインインするだけで始められます。

  1. Microsoft AppSourceで「Claude for Microsoft 365」のページを開く
  2. 「Get it now」を選んでインストールする
  3. Excelを開き、アドインを有効にする(Windowsは「ホーム」タブの「アドイン」、Macは「ツール」の「アドイン」から選ぶ)
  4. サイドバーが開いたら、ProなどのClaudeのアカウントでサインインする

サイドバーの設定画面には「指示」の欄があり、「数値は3桁ごとにカンマで区切る」「見出しの行は太字にする」のように、毎回守ってほしい書き方を登録できます。

管理者が組織に展開する手順

会社で一括導入するときは、Microsoft 365管理センターの「統合アプリ」から配布します。

  1. Microsoft 365管理センターの「設定」→「組織設定」→「ユーザーが所有するアプリとサービス」で、「ユーザーにOfficeストアへのアクセスを許可する」をオンにする
  2. 「設定」→「統合アプリ」→「アドイン」を開く
  3. AppSourceで「Claude for Microsoft 365」を検索する
  4. 組織全体、または特定のユーザーやグループに割り当てる

Officeストアへのアクセスを止めている会社では、Anthropicが配布しているExcel用のマニフェスト(設定を書いたXMLファイル)を取り込んで配布します。管理者の権限をMicrosoft Entraの特権ID管理(PIM)で一時的に有効にしている場合、統合アプリの画面がその権限を認識せず、配布に失敗することがMicrosoftの既知の不具合として挙がっています。常に有効な権限を持つ管理者のアカウントで作業すれば回避できます。

対応バージョンと使えない機能

動くのはWeb版、Microsoft 365を契約しているWindows版、Mac版(16.46以降)のExcelです。手順どおりに入れてもアドインが出てこないときは、まず使っているExcelの版を確かめます。

区分 環境・機能 対応
Excel Excel on the web(ブラウザ版) 対応
Excel Microsoft 365のWindows版(ビルド16.0.13127.20296以降) 対応
Excel Mac版(バージョン16.46以降) 対応
Excel Excel 2016・2019の買い切り版・ボリュームライセンス版 非対応
Excel iPad版・Android版 非対応
機能 マクロ・VBAの操作 非対応
機能 データテーブル(What-If分析) 非対応

Excel 2016やExcel 2019を買い切りで使っている部署は、Microsoft 365の版へ移るまで使えません。マクロやVBAで動かしている集計表は、Claudeにマクロの中身を書き換えさせることはできないため、マクロを使わない部分の作業から試すことになります。

データの扱いとプロンプトインジェクションの注意

業務の数字を入れる前に、入れたデータがどこに残るかと、外から受け取ったファイルの危険を押さえておきます。

入力したデータの保存期間と履歴の置き場所

Claude in Excelでやり取りした入力と出力は、受け取りまたは生成から30日以内にAnthropic側で削除されます(例外の条件は、Anthropicのプライバシーの説明ページに書かれています)。閉じたばかりのブックの内容を続けて使えるよう、削除後も数時間はデータが一時的に残ります。

チャットの履歴はAnthropicのサーバーではなく、使っているブラウザの中に保存されます。別のパソコンには引き継がれず、設定画面からいつでも消せます。管理者が知っておきたいのは次の2点です。

  • 組織で独自に決めたデータの保存期間の設定は、Claude in Excelには引き継がれない
  • Excelでの利用はEnterpriseの監査ログに含まれない(Compliance APIを有効にしている場合は、ベータ版として記録の対象になる)

外部のファイルに仕込まれたプロンプトインジェクション

Claudeの公式ドキュメントは、信頼できるスプレッドシートでだけ使うよう警告しています。取引先から届いたファイル、ネットで配られているひな形、外部から取り込んだデータには、Claudeに向けた隠れた指示(プロンプトインジェクション)が仕込まれていることがあります。Anthropicの検証でも、確認なしに動かすと、機密情報の持ち出し、重要なデータの書き換え、取り返しのつかない操作をさせられる場面が見つかっています。

危険な操作の前には、Claudeが実行してよいかを確認する画面を出します。社外から来たファイルを開いているときに出た確認は、内容を読まずに許可しないことが、いちばん効く対策です。

社内でClaude in Excelを使わせる前に決めること

Claudeの公式ドキュメント「Use Claude for Excel」は、人が確認していない最終成果物、監査に関わる計算、厳しく管理すべきデータを含むモデルには勧めないとしています。この線引きを、自社のファイルに当てはめて決めておきます。

決めること 判断の基準 決め方の例
入れてよいファイル 自社で作ったものか、社外から受け取ったものか 社内で作った集計表は可。取引先のファイルは中身を確かめてから
入れないデータ 個人情報や規制のかかる情報を含むか 給与・人事評価・顧客の個人情報を含むブックは入れない
人が確認する場面 その表が社外や経営会議に出るか 決算の数字・請求金額・顧客へ出す見積は、担当者と承認者が確かめる
作業の始め方 元のブックを壊したときに戻せるか 広い範囲を直させる前に、ブックのコピーを取ってから始める

社外に出す数字は、Claudeが作った表をそのまま使わず、元の明細と合計が合うかを人が確かめます。社内の生成AIの利用規定が既にあるなら、Excelのアドインもその対象に入れ、入力してよい情報の判定表を同じ基準で使います。

Claude for ExcelとCopilot in Excelの違いと選び方

Copilot in ExcelはMicrosoftがExcelに組み込んでいるAIの機能で、使える範囲と料金はMicrosoft 365側の契約で決まります。Claude for Excelは、Anthropicの契約で使うアドインです。どちらが上かではなく、自社がどちらの契約と管理の仕組みで動いているかで選びます。

比べる点 Claude for Excel Copilot in Excel
提供元と契約 Anthropic。Claudeの有料プランを契約する Microsoft。Microsoft 365側の契約で使う
入れ方 AppSourceからアドインを入れ、Claudeのアカウントでサインインする Microsoft 365の契約に応じてExcelから使う
ほかのアプリとのつながり Word・PowerPoint・Outlook向けのClaudeのアドインと会話の文脈を共有する Microsoft 365の各アプリに組み込まれている
向いている会社 既にClaudeを社内で使っている、または文章作成などもClaudeにまとめたい Microsoft 365の管理の中でAIもまとめて管理したい

既にClaudeのTeamやEnterpriseを契約しているなら、Excelのアドインは追加の費用なしで試せます。逆にClaudeを契約しておらず、Excelだけで使いたいなら、Microsoft 365の契約で使えるCopilotの範囲を先に確かめると、契約を増やさずに済むかが分かります。Copilotの料金と使える範囲は、Microsoftの公式サイトで確かめてください。

自社はどの形で導入するか

使っているExcelの版、会社の情報を入れるかどうか、使う人数の順に答えると、導入の形が決まります。

Claude in Excelを入れるか、どのプランで使うか 使っているExcel、会社の情報を入れるか、人数の3つの問いで導入の形を決める ・上から順に答え、右へ抜けたところで決まります Web版・Microsoft 36 5のWindows版・Mac 1 6.46以降のExcelを使 っているか 今は見送る ・Excel 2016/2019の買い切り版では動かない いいえ はい 会社の業務のファイル を入れて部署で使うか 個人のProで試す ・月20ドル。自分の資料だけで使う いいえ はい 使う人が150人を超え るか Enterpriseを検討する ・料金ページで契約の条件を確かめる はい いいえ Teamで契約し、管理者が配布する ・使ってよいファイルの範囲を先に決める
会社の情報を入れて使うかどうかで、個人のProか組織向けのプランかが分かれます。

ExcelではClaudeとCopilotのどちらでもよく、ほかの業務でもAIを使うつもりがあるなら、各社の無料の範囲と仕事での向き不向きを並べて比べてから決めます。

まとめ:Claude in Excelは有料プランで使い、入れるファイルの範囲を先に決める

  • Claude in Excelは、Excelのサイドバーで開いているブックについて質問・編集できるAnthropic公式のアドインです
  • 使えるのはPro・Max・Team・Enterpriseで、Freeでは使えません。Proは月払いで月20ドルです
  • 数式の説明、前提の値の変更、エラーの原因探し、ひな形への入力、ピボットテーブルなどの操作を頼めます
  • 個人はAppSourceから入れてサインインし、会社ではMicrosoft 365管理センターの統合アプリから配布します
  • Excel 2016・2019の買い切り版やiPad・Android版では動かず、マクロ・VBAとデータテーブルは扱えません
  • 入力と出力は30日以内に削除され、履歴はブラウザに残ります。社外のファイルはプロンプトインジェクションに注意します
  • 社内で使わせる前に、入れてよいファイル・入れないデータ・人が確かめる場面を決め、導入後は手直しの時間で効果を測ります

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よくある質問

Claude in Excelには、Excel専用の使用量の上限がありますか?

Excel専用の上限はありません。アドインでの利用は、ふだん使っているClaudeのアカウントにひもづき、ブラウザやアプリでの利用と同じ上限を分け合います。月末の締めの時期に大きなブックで何度もやり取りすると、ほかの作業に使える量が減ります。使う量が多い人だけ上位のプランやTeamのプレミアムシートにする、という分け方ができます。

社員一人ひとりにClaudeのアカウントを作らずに使わせる方法はありますか?

あります。会社がAmazon Bedrock、Google CloudのVertex AI、Azure AI Foundry、または社内のLLMゲートウェイを通してAIを使っている場合、管理者はそれらを経由してアドインを配布でき、社員ごとのClaudeアカウントは要りません。この場合、選べるモデルはClaudeのプランの設定ではなく、その基盤側の設定で決まります。

ExcelのほかにWordやPowerPointでも同じように使えますか?

使えます。AnthropicはWord、PowerPoint、Outlook向けのアドインも出しており、Excelのアドインとやり取りの文脈を共有します。たとえば、Excelで集計した月次の数字をもとに、開いているPowerPointの報告資料の下書きを1つの会話で進められます。ただし、常に守ってほしい書き方の指示(設定画面の指示欄)はアプリごとに別々に設定します。

社内で試すとき、どれくらいの期間と人数で判断すればよいですか?

一律の目安はありません。月次の締めのように毎月繰り返す作業を1つ選び、少なくとも1回の締めを通して2〜5人程度で使うと、手直しにかかった時間と、確認で見つかった誤りの数が比べられます。導入前の同じ作業の時間を測っておき、その差と、誤りを人が見つけられたかで続けるかを決めます。