Claude Skills(クロード スキル)とは、業務の手順・知識・スクリプトを1つのフォルダにまとめ、Claudeが必要なときだけ読み込んで使う仕組みです。無料プランを含むすべての個人・法人プランで使え、「コード実行」の設定を有効にすれば、Claude.aiでもClaude Codeでも同じ形式のスキルが動きます。社内の手順をスキルにして配りたい担当者は、まず1つ作って自分で試し、TeamやEnterpriseの組織でどこまで配るかを決める順で進めると迷いません。

この記事は2026年10月時点のClaudeのヘルプセンター、Claude Codeのドキュメント、Agent Skillsの仕様をもとにしています。画面の名前や設定は変わることがあるため、使う前にClaudeの公式ドキュメント(ヘルプセンター)で確かめてください。

この記事の答え

  • Claude Skillsは、手順書や書式の見本をSKILL.mdというファイルにまとめ、Claudeが必要な場面だけ読み込む機能で、無料プランでも使えます
  • 自動で呼ばれるかどうかは、SKILL.mdの先頭に書く説明文でほぼ決まります
  • 同じ説明をチャットに何度も貼っている手順から1つ選び、個人で試してからチームに共有します。形式は公開された仕様なので、対応するほかのAIツールでも使えます

Claude Skillsとは|手順をまとめたフォルダを必要なときだけ読み込む

Claude Skillsは、特定の業務をこなすための指示・資料・スクリプトをフォルダにまとめたものです。Claudeは依頼を受けると、使えるスキルの中から関係するものを選び、その中身を読んで指示どおりに作業します。報告書の書式、議事録のまとめ方、自社の表記ルールのように、毎回同じやり方で進めたい作業を教え込むのに向いています。

SKILL.mdの中身は3段階に分けて読まれる

スキルの核になるのは、フォルダの中に置くSKILL.mdというファイルです。ファイルの先頭にはフロントマターと呼ばれる欄があり、スキルの名前(name)と、何をするスキルでいつ使うかの説明文(description)を書きます。その下に、作業の手順や書式の見本を普通の文章で書きます。

Claudeはこの中身を一度に全部は読みません。読む順番は次の3段階で、これを段階的開示と呼びます。

順番 読むもの いつ読むか
1 名前と説明文 いつも。どのスキルを使うかを決めるために見る
2 SKILL.mdの本文 説明文から、この依頼に関係すると判断したとき
3 同じフォルダの別ファイルやスクリプト 本文の指示から、その資料が要ると判断したとき

この読み方のおかげで、長い参考資料をスキルに入れても、使わない会話ではほとんど負担になりません。手順書を常に読ませておく使い方と違い、スキルは数を増やしても、使う場面にだけ中身が読まれます。

Anthropic製のスキルと自作のスキル

スキルには、Anthropicが用意しているものと、自分や自社で作るものがあります。Anthropic製のスキルはExcel・Word・PowerPoint・PDFの作成や加工を受け持ち、コード実行が有効なら、依頼に応じて自動で使われます。たとえば「第3四半期の結果をPowerPointにまとめて」と頼むと、PowerPointのスキルが使われます。

自作のスキルは、自社の書式や業務の進め方を教えるためのものです。ほかに、Team・Enterpriseの組織の管理者が全員に配るスキルと、NotionやFigmaなどの提供元がMCPのコネクタと組み合わせて使う前提で用意しているスキルがあります。

Claude Skillsは無料で使えるか|使えるプランと前提の設定

Claude Skillsは無料プランでも使えます。対象はFree・Pro・Max・Ultra・Team・Enterpriseのすべてのプランで、どのプランでも「コード実行」の設定が有効になっていることが前提です。

プラン 使えるか 有効にする人 設定する場所
Free・Pro・Max・Ultra 使える 本人 Settings > Capabilities
Team 使える(組織では最初から有効) 組織の管理者(Owner) Organization settings > Plugins & skills の Policy タブ
Enterprise 使える 管理者 Organization settings > Plugins & skills の Policy タブ

プランで変わるのは共有と管理の機能

スキルを作って使う機能はどのプランでも同じで、差が出るのはほかの人と分け合う機能です。特定の同僚へ共有する機能、組織のライブラリに公開する機能、全員に配る機能はTeamとEnterpriseだけにあります。グループ単位の共有と、アップロードされたスキルの自動点検はEnterpriseだけの機能です。

プランごとの料金と、法人がどのプランを選ぶかは、別の記事で比べています。

Claude CodeとAPIでも使える

同じ形式のスキルは、開発者向けのClaude Codeでも使えます。Claude.aiで有効にしたスキルは、同じアカウントでサインインしたClaude Code(v2.1.273以降)に同期されます。APIでも、コード実行のツールを使う利用者向けにベータ版として提供されています。

Claude Skillsの使い方|Claude.aiで有効にする手順

個人のプラン(Free・Pro・Max・Ultra)では、次の手順でスキルを使える状態にします。

順番 やること 画面の名前
1 コード実行を有効にする Settings > Capabilities の「Code execution and file creation」をオン。新しい設定画面では「Create and edit files」
2 スキルの一覧を開く Customize > Skills
3 使うスキルをオンにする スキルの横のスイッチ
4 普段どおりに依頼する 説明文に合う依頼をすると、Claudeがスキルを読み込む

一覧には、Anthropic製のスキルと自分が追加したスキルが並びます。オフにしたスキルはClaudeが使いません。自動で使われるのを待たずに、「ブランドガイドラインのスキルを使って資料を作って」のように名前を出して頼むこともできます。

TeamとEnterpriseで管理者が確かめる設定

組織のプランでは、メンバーが使えるかどうかを管理者の設定が決めます。管理者は Organization settings > Plugins & skills の Policy タブで、「Cloud code execution and file creation」と「Skills」の両方がオンになっているかを確かめます。Teamは組織での設定が最初から有効で、メンバーは Customize > Skills からすぐに使えます。

スキルの一覧が出ない・灰色になるとき

一覧が見当たらないときや灰色で選べないときは、まずコード実行の設定を疑います。個人のプランなら Settings > Capabilities を、組織のプランなら管理者に Policy タブの設定を確かめてもらいます。スキルの作成やアップロードの項目だけが無いときは、管理者がメンバーによるスキル作成(User-created skills)を止めている可能性があります。この場合も、管理者が配ったスキルは使えます。

スキルの作り方|SKILL.mdを書いてZIPでアップロードする

自作のスキルは、SKILL.mdを含むフォルダを作り、ZIPに固めてアップロードします。Claudeとの会話で下書きを作ってもらうこともできるので、ゼロから書く必要はありません。

SKILL.mdのフロントマターに書く2項目

Claude.aiにアップロードするスキルでは、フロントマターに名前と説明文の2項目が必須です。名前は64文字まで、説明文は200文字までと決まっています。

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name: weekly-report
description: 部署の週次レポートを社内の書式でまとめる。数字の一覧やメモを渡されて「週報にして」と頼まれたときに使う。
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## 手順
1. 受け取った数字を、前週と比べた増減の表にする
2. 増減の大きい項目を3つ選び、理由を1文ずつ書く
3. 最後に「来週やること」を箇条書きで3つまで書く

## 書式の見本
(過去の週報を1本貼る)

説明文には「何をするスキルか」と「どんな依頼のときに使うか」の両方を書きます。Claudeは説明文を見て使うかどうかを決めるので、利用者が実際に口にしそうな言い方(「週報にして」など)を入れておくと呼ばれやすくなります。本文には、うまくできた例の入力と出力を載せると、Claudeが仕上がりの水準をつかめます。

ZIPにまとめてアップロードする手順

アップロードでつまずきやすいのは、ZIPの中のフォルダの形です。フォルダ名をスキルの名前と同じにし、そのフォルダごとZIPにします。ZIPを開いたときにSKILL.mdがいきなり出てくる形(ファイルを直接固めた形)は受け付けられません。

順番 操作 画面の名前
1 スキルの一覧を開く Customize > Skills
2 追加のメニューを開く 「+」→「+ Create skill」
3 アップロードを選ぶ 「Upload a skill」
4 ZIPを選んで送る スキルのフォルダを固めたZIP
5 一覧でオンにして試す スキルの横のスイッチ

アップロードに失敗するときは、ZIPの容量の上限を超えている、フォルダ名とスキルの名前が違う、SKILL.mdが無い、名前や説明文に使えない文字が入っている、のどれかが多い原因です。

Claudeとの会話やskill-creatorで作る

手で書く代わりに、Claudeに手順を説明して下書きを作らせる方法もあります。Claude.aiの会話でスキルを作り込んでいるときは、会話の横に開いたスキルのファイルを直接直せます。直したい箇所を選んで「Edit with Claude」を押し、直し方を書いて頼みます。

Mac版のClaudeのCoworkでは、Pro・Max・Teamのプランで、作業の様子を画面録画してスキルにする方法もあります。Customize > Skills の「Add」から「Record your screen」を選び、いつもどおり作業すると、Claudeが録画からスキルの案を出します。録画はおよそ10分までで、パスワードなど映したくない情報は画面に出さないようにします。

Claude Codeを使う場合は、Anthropicが公開しているskill-creatorというプラグインが使えます。/plugin install skill-creator@claude-plugins-official で入れると、スキルを試すためのテストの作成、スキルがある場合と無い場合の出来の比較、呼ばれ方を見ながらの説明文の調整を手伝ってくれます。

Claude Codeでのスキルの使い方|置き場所とスラッシュコマンド

Claude Codeでは、フォルダを決まった場所に置くだけでスキルとして読み込まれます。アップロードの手順はありません。

スキルを置く場所と使える範囲

誰が使うスキルかで、置く場所を変えます。

置き場所の種類 置く場所 使える範囲
個人 ~/.claude/skills/<スキル名>/SKILL.md 自分のパソコンの、すべてのプロジェクト
プロジェクト .claude/skills/<スキル名>/SKILL.md そのリポジトリ。コミットするとチームの全員が使える
組織(Enterprise) 管理された設定のフォルダの中の .claude/skills/ 組織が配ったパソコンの全利用者

同じ名前のスキルが複数の場所にあるときは、組織、個人、プロジェクトの順に優先されます。たとえば ~/.claude/skills/ とプロジェクトの .claude/skills/ の両方に deploy があれば、個人のほうが動きます。

/スキル名で呼び出す

スキルは、フォルダ名(フロントマターでnameを指定した場合はその名前)がそのままスラッシュコマンドになります。.claude/skills/deploy-staging/SKILL.md に置いたスキルは、/deploy-staging と入力して呼び出せます。以前からある .claude/commands/ のカスタムコマンドはスキルに統合されており、既存のファイルもそのまま使えます。

SKILL.mdは500行以内に収め、詳しい資料は別のファイルに分けることが勧められています。

自動で呼ばれるかを決める項目

Claudeが自分の判断でスキルを使うかどうかは、説明文と、フロントマターの2つの設定で決まります。

設定 人が/スキル名で呼べるか Claudeが自動で使うか 向いている用途
指定なし 呼べる 使う 書式や進め方の決まりなど、関係する依頼で毎回効かせたいもの
disable-model-invocation: true 呼べる 使わない 本番への反映やメッセージの送信など、人がタイミングを決めたいもの
user-invocable: false 呼べない 使う 古いシステムの仕組みなど、人が操作として呼ぶ意味の無い背景知識

取り返しのつかない操作を含むスキルには disable-model-invocation: true を付けておくと、Claudeが「準備ができたようなので」と勝手に実行することを防げます。

Anthropicが公開しているスキル集|Claude Codeに入れて試す

一からスキルを作る前に、Anthropicが公開しているスキル集を入れて、出来上がったスキルの書き方を見ることができます。スキル集はGitHubのanthropics/skillsというリポジトリで公開されています。

スキル集に入っているもの

スキル集は、文書を扱うスキルと、使い方の例を示すスキルの2つに分かれます。

種類 入っているもの ライセンス
文書のスキル Word・PDF・PowerPoint・Excelのファイルを作る・編集するスキル(docx・pdf・pptx・xlsx) ソースは読めるが、オープンソースではない
例のスキル デザインなどの創作、Webアプリのテストなどの開発、社内連絡やブランドの統一などの企業の業務の例 多くはApache 2.0

文書のスキルは、Claudeがファイルを作るときに裏で使っているものと同じ系統で、手順の長いスキルをどう書くかの見本になります。オープンソースではないため、中身を写して自社のスキルとして配る前に、ライセンスの条件を確かめます。

Claude Codeでの入れ方

Claude Codeでは、スキル集をプラグインの入手先として登録してから入れます。

  1. /plugin marketplace add anthropics/skills でスキル集を登録する
  2. /plugin install document-skills@anthropic-agent-skills で文書のスキルを、/plugin install example-skills@anthropic-agent-skills で例のスキルを入れる

コマンドを打つ代わりに、/plugin のメニューで「Browse and install plugins」から選んで入れることもできます。

スキル集はデモと学習のための提供で、大事な作業に使う前に自分の環境で十分に試すよう、Anthropic自身が明記しています。 そのまま業務に使うより、自社のスキルを書くときの見本として読む使い方が合っています。

Agent Skillsは公開された仕様|Claude以外のツールでも使える

Claude Skillsの形式は、Agent Skillsという公開された仕様になっており、対応するほかのAIツールでも同じスキルを使えます。Agent SkillsはAnthropicが開発し、オープンな標準として公開したもので、今は多くのAIツールが対応しています。

仕様で決まっているフォルダの形

仕様で必須なのは、名前と説明文を書いたSKILL.mdだけです。そのほかのファイルは、必要に応じて同じフォルダに入れます。

置くもの 必須か 中身
SKILL.md 必須 名前・説明文と、作業の手順
scripts 任意 決まった処理をさせるプログラム
references 任意 手順の中で参照させる資料
assets 任意 書式のひな形などの素材

読み込みも仕様で3段階に決まっています。起動したときは名前と説明文だけを読み、依頼が説明文に合えばSKILL.mdの全体を読み、手順に沿って必要なときだけプログラムや資料を使います。Claudeの段階的開示と同じ読み方です。

ほかのツールで使い回すときの注意

社内で複数のAIツールを使っていても、スキルを1つ作れば、対応するツールの間で使い回せます。ただし、Claude Codeの disable-model-invocation のように、ツールが独自に足した設定は、ほかのツールでは効かないことがあります。社内で配るスキルは、仕様の共通部分(名前・説明文・手順・同梱のファイル)で書いておくと、使う人がどのツールを選んでも同じ手順で動かせます。

Claude Skillsと、MCP・GPTs・CLAUDE.mdの違い

似た目的の機能はいくつかありますが、受け持つ範囲が違います。Claude Skillsは「どうやるか」の手順を必要なときに教える機能で、外部とつなぐ機能でも、いつも読ませる決まりでもありません。

機能 何を持たせるか いつ読まれるか 使い分けの目安
Claude Skills 作業の手順・書式・スクリプト 依頼に関係するときだけ 特定の作業を毎回同じやり方で進めたい
MCP 外部のサービスやシステムへの接続 接続先のデータや操作が要るとき 社内のシステムやSaaSからデータを取りたい
プロジェクト 資料などの固定の知識 そのプロジェクトの会話ではいつも 特定の案件の資料を前提に話したい
カスタム指示 広く効かせたい好みや決まり すべての会話でいつも 言葉づかいなど、どの会話でも守らせたい
CLAUDE.md Claude Codeでのプロジェクトの決まり そのプロジェクトの作業ではいつも 事実や前提を書く。手順が長くなったらスキルへ移す
GPTs 指示と資料を持たせた専用のチャット そのGPTを選んで話すとき ChatGPTで、目的ごとに相手を切り替えて使う

MCPとスキルは組み合わせて使う

MCPは外部につなぐ道具で、スキルはその道具の使い方を教える手順書、と分けて考えると整理しやすくなります。たとえば、タスク管理のサービスにMCPのコネクタでつなぎ、「議事録から起票するときは、担当と期限を必ず埋める」といった自社の決まりをスキルに書きます。外部のサービスへのアクセスは、スクリプトをスキルに書き込むより、MCPの接続を使うことが公式に勧められています。

GPTsやCLAUDE.mdとの違い

GPTsは目的ごとに話す相手を切り替える作りで、スキルは普段の会話の中で必要なものが自動で選ばれる作りです。利用者がどの専用チャットを開くかを覚えておく必要がありません。CLAUDE.mdはClaude Codeで毎回読まれる決まりの置き場所で、手順がそこで長くなってきたら、スキルへ移す時期です。同じ指示や手順を何度もチャットに貼っているときも、スキルにする合図だとClaude Codeのドキュメントは説明しています。

スキルが呼ばれないときの直し方

スキルが思ったように使われないときは、説明文から直します。Claudeは説明文と依頼を照らし合わせて使うかどうかを決めるので、説明文が曖昧だと、関係する依頼でも選ばれません。

順番 確かめること やり方
1 スキルがオンになっているか Claude.aiでは Customize > Skills で、そのスキルのスイッチを見る
2 説明文に、利用者が実際に使う言葉が入っているか 「週報」「議事録」のように、依頼のときに口にする言葉を説明文に足す
3 名前を出して頼むと動くか 「週次レポートのスキルを使って」と頼んで動けば、直すのは説明文の書き方
4 Claude Codeで/スキル名なら動くか 動くのに自動で使われないときは、claude plugin validate .claude/skills でフロントマターの崩れを探す

名前を出して頼めば動くのに自動では使われないなら、中身ではなく説明文を直します。

逆に、関係の無い依頼でまでスキルが使われるときは、説明文を具体的にするか、人が呼んだときだけ動くように disable-model-invocation: true を付けます。

チームでスキルを共有する|TeamとEnterpriseの組織での設定

TeamとEnterpriseのプランでは、作ったスキルを同僚に共有したり、組織のライブラリに公開したりできます。アップロードしただけのスキルは本人にしか見えず、管理者にもスキルの名前と共有の状態だけが見え、ファイルの中身は見えません。

スキルを作ってから組織で使うまで 個人で作って試す、特定の人やグループに共有する、組織に公開するの3段階 ・Team・Enterpriseの組織での流れ ・共有は作った人が管理し、公開すると組織の管理に移ります 個人で作る SKILL.mdを書く ・名前と説明文 ・手順と例 ZIPでアップロード 自分の業務で試す 共有する Shareで相手を選ぶ ・特定の人 ・グループ(Enterpriseのみ) 相手がオンにして使う ・閲覧のみで編集はできない 組織に公開する Publish to org ・提供の仕方を選ぶ 管理者が点検 ・スキャンの結果も確認 組織で利用開始
個人で試し、共有で使い勝手を確かめてから組織に公開します。
公開の前には管理者の点検を挟めます。

特定の人に共有する

共有は、作った人が管理したまま、使える人を増やす方法です。Customize > Skills で自分のスキルの「…」から「Share」を選び、相手の名前かメールアドレスを入れます。Enterpriseでは、組織で作ったグループを相手に選べます。

共有されたスキルは閲覧だけで、相手は使えても中身は直せません。作った人が直すと、相手は次に使うときから新しい版を使います。相手側では「Shared with you」の欄にオフの状態で届き、本人がオンにして使い始めます。

組織に公開する・全員に配る

公開は、スキルを組織の管理に引き渡す方法です。スキルを開いて「Publish to org」を押し、点検が必要な組織では、提供の仕方を「Available to install」(希望者が入れる)、「Installed by default」(最初から入っている)、「Required」(必須)から選んで申請します。点検する人が承認すると、組織のライブラリに載ります。公開後に直した版も同じ点検を通り、承認されるまでは前の版が使われます。

これとは別に、管理者は Organization settings > Plugins & skills からスキルを全員に配れます。配られたスキルは各メンバーの一覧に組織の印付きで出ます。

管理者が最初に決めておく設定

共有の機能は、管理者が設定を開けるまで使えないものがあります。管理者は Organization settings > Plugins & skills の Policy タブで、次の項目を決めます。

設定 最初の状態 決めること
Skill sharing Teamでは有効 同僚どうしの共有を認めるか
Share with organization 無効 組織の全員へ共有できるようにするか
Share with groups 無効 グループ単位の共有を認めるか(Enterprise)
User-created skills 有効(管理者が止められる) メンバーが自分でスキルを作れるようにするか
公開の点検 組織による 公開の前に管理者の承認を挟むか

「Share」のボタンが出てこないときは、Share with organization か Share with groups のどちらかがオンになっているかを確かめます。社内で作られたAIの仕組みを誰が管理するかを先に決めておくと、スキルが増えたあとも棚卸しがしやすくなります。

スキルを安全に使うための注意

スキルは信頼できる提供元のものだけを入れる、というのが公式の注意点です。スキルにはスクリプトや、外部からソフトウェアを入れる指示を含められます。悪意のあるスキルを入れると、Claudeが意図しない操作をさせられたり(プロンプトインジェクション)、データを外へ送られたりするおそれがあります。

入れる前に中身を読む

同僚から共有されたスキルでも、オンにする前に中身を読みます。特に見るのは次の点です。

  • 外部から入れるソフトウェアやパッケージの指定
  • 同梱されたスクリプトや画像などのファイル
  • 信頼できない外部のサイトへ接続させる指示や処理

スキルを作る側は、APIキーやパスワードをSKILL.mdやスクリプトに書き込まないようにします。外部のサービスへの接続が要るなら、MCPの接続を使います。

Enterpriseのスキルの自動点検

Enterpriseでは、アップロードされたスキルに悪意のある中身が無いかを自動で点検する機能をオンにできます。オンにすると、外部から入れたスキルを追加したり直したりするたびに、使う前に点検されます。多くは1〜2分で終わり、止められたスキルは指摘された箇所を直して上げ直すまで使えません。点検は人が中身を読む代わりにはならないので、セキュリティの審査の手順に、スキルを入れる前の確認を加えておきます。

社内のどの手順からスキルにするか

最初にスキルにする手順は、同じ説明を何度もチャットに貼っていて、やり方を文章に書き出せるものから選びます。どの会話でも守らせたい決まりや、外部のシステムからデータを取ることが目的の作業は、スキル以外の手段のほうが合います。

その手順をスキルにするかの判断 4つの問いで、スキルにするか、カスタム指示・MCP・都度の依頼のどれで済ませるかを決める ・上から順に答え、右の箱に出たところで決まります ・最後まで進んだ手順をスキルにします 同じ説明や手順をチャ ットに何度も貼ってい るか 今のまま都度依頼する ・月に何度も使うようになってから考える いいえ はい 手順・書式・判断の基 準を文章に書き出せる か 先に手順書を作る ・担当者の頭の中にあるうちは書けない いいえ はい どの会話でも常に守ら せたい決まりか カスタム指示やCLAUDE.mdに書く ・例:敬語の使い方、社名の表記 はい いいえ 社外のシステムからデ ータを取ることが主な 目的か MCPのコネクタを使う ・手順の部分だけスキルに分ける はい いいえ スキルにする ・個人で試してからチームに共有する
同じ説明を何度も貼っている手順が、スキルにする最初の候補です。
毎回守らせる決まりはカスタム指示に、外部のシステムとの接続はMCPに分けます。

スキルにしやすい定型業務の例

向いているのは、毎回の手順や仕上がりの書式が決まっていて、担当者によって出来が揃わない作業です。

業務 スキルに書くこと 人が持つこと
議事録のまとめ 見出しの順番、決定事項と宿題の書き方、担当と期限の欄 決定事項が合っているかの確認
提案書の型 章立て、各章に書く内容、過去の良い例 顧客ごとの提案の中身と値引き
週次レポート 前週比の表の作り方、コメントの書き方 数字の読み取りと翌週の打ち手
社内文書の表記 社名・製品名の表記、敬語の使い方、禁止表現 表記ルール自体の改訂
定型のメール返信 問い合わせの種類ごとの返し方と言い回し 送信の判断と例外への対応

手順の切り出し方

1つのスキルには1つの作業だけを入れます。公式のヘルプも、複数の作業をまとめた大きなスキルより、作業ごとに分けた小さなスキルのほうが組み合わせやすいとしています。Claudeは複数のスキルを自動で組み合わせて使えます。

切り出すときは、次の順で進めると手戻りが少なくなります。

  1. 手順書か、うまくできた過去の成果物を1つ用意する。書き出せない手順は、先に担当者に聞き取って文章にする
  2. 名前・説明文・手順・見本だけの、文章だけのスキルで始める。スクリプトはまだ足さない
  3. 自分の業務で何度か使い、呼ばれ方と仕上がりを見ながら説明文と手順を直す
  4. 同じ作業をする数人に共有して出来が揃うかを見て、揃ったら組織に公開するかを決める

手順書がまだ無い業務は、スキルの前に手順書づくりから始めると進めやすくなります。

まとめ:Claude Skillsの使い方は、手順を1つずつ書き出し、試してから組織に配る

  • Claude Skillsは、手順・資料・スクリプトをSKILL.mdを核にしたフォルダにまとめ、必要なときだけ読み込む仕組みです。無料プランを含む全プランで、コード実行を有効にすれば使えます
  • Claude.aiでは Settings > Capabilities でコード実行をオンにし、Customize > Skills でスキルを切り替えます。自作のスキルはフォルダごとZIPにしてアップロードします
  • Claude Codeでは ~/.claude/skills/ か .claude/skills/ にフォルダを置き、/スキル名 で呼び出します。自動で呼ばれるかは説明文とフロントマターの設定で決まります
  • Anthropicが公開しているスキル集を入れると、書き方の見本を読めます。デモと学習のための提供なので、業務で使う前に自分の環境で試します
  • スキルの形式はAgent Skillsという公開された仕様で、対応するほかのAIツールでも使えます
  • MCPは外部への接続、カスタム指示やCLAUDE.mdは常に守らせる決まり、スキルは作業ごとの手順、と分けて使います
  • TeamとEnterpriseでは、共有・公開・全員への配布ができます。入れる前に中身を読み、Enterpriseでは自動の点検も使えます

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よくある質問

Claude以外のAIツールでも、作ったスキルを使えますか?

使えます。スキルの形式はAgent Skillsという公開された仕様になっており、この仕様に対応したAIツールなら、同じフォルダをそのまま読み込めます。ただし、Claude Codeで足せる自動呼び出しの設定のように、ツールごとに独自に足した項目は、ほかのツールでは効かないことがあります。社内で複数のツールを使い分けているなら、名前・説明文・手順という仕様の共通部分だけで書いておくと、使い回しやすくなります。

スキルを作るのにプログラミングの知識は要りますか?

要りません。スキルの中身は、名前と説明文を先頭に書いたMarkdownの文章が基本で、手順や書式の見本を日本語で書けば動きます。プログラムが要るのは、表の集計やファイルの変換をスクリプトで決まったとおりに処理させたいときだけです。まずは文章だけのスキルで始め、同じ計算を毎回手で直しているような箇所が見えてから、スクリプトを足すかどうかを決めると無理がありません。

社外秘の資料をスキルに入れても大丈夫ですか?

スキルに入れた資料は、使う人の会話の中でClaudeが読みます。そのため、扱える情報の範囲は、自社がClaudeの利用で認めている範囲と同じだと考えてください。APIキーやパスワードはスキルに書かないことが公式の注意点です。共有した相手は中身を読めるので、閲覧の権限が分かれている資料は、権限ごとにスキルを分けるか、スキルには資料の置き場所だけを書く形にします。

スキルはいくつまで作れますか?増やしすぎると困ることはありますか?

数よりも気をつけたいのは、内容の重なりです。似た説明文のスキルが並ぶと、どれを使うかの判断が揺れます。Claude Codeでは、オンにしているスキルの一覧が毎回の会話に含まれるため、使っていないものは止めるのが勧められています。業務ごとに1つのスキルに絞り、似たものは1つにまとめると、呼ばれ方が安定します。

スキルの中身を直したら、共有した相手にも反映されますか?

特定の人に共有したスキルは、作った人が直すと、相手が次に使うときに新しい版が使われます。一方、組織に公開したスキルは組織の管理に移るため、直した版はもう一度公開の手続きを通し、点検が終わるまでは前の版が使われ続けます。手順書の改訂のように、いつから新しい手順で動くかをはっきりさせたいときは、公開の形で配るほうが管理しやすくなります。