DXのデメリットは、初期投資とランニングコスト、DX人材の不足、現場の抵抗、効果の見えにくさ、既存システムからの移行期の混乱、セキュリティリスク、特定ベンダーへの依存の7つに整理できます。7つの多くは企画の段階で表面化し始め、目的と成果指標、予算の上限、決める人を先に決めておけば防げます。DXを進めるよう求められた担当者は、デメリットだけで判断せず、進めない場合に残るリスクと並べたうえで、どの範囲から小さく始めるかを社内に提案するのが現実的です。

記事中の調査の数字は、2026年10月時点で公表されている最新の内容です。新しい調査の公表状況は、IPA(情報処理推進機構)の「DX動向」のページでご確認ください。

この記事の答え

  • DXのデメリットは、費用・人材・現場の抵抗・効果の見えにくさ・移行期の混乱・セキュリティ・ベンダー依存の7つ
  • デメリットの大半は、目的と成果指標・予算の上限・決める人を企画の段階で決めておけば防げる
  • 見送るか迷ったら、現状維持のリスクと比べたうえで、1業務・数か月の小さな試行から始める

DXとは:経済産業省の定義とIT化・デジタル化との違い

DXとは、データとデジタル技術を使って、製品やサービス、仕事の進め方、組織のあり方まで変え、競争で優位に立つことです。経済産業省は、データとデジタル技術を活用して製品・サービスやビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土も変革し、競争上の優位性を確立することとしています。道具を入れること自体はDXの目的ではありません。

IT化・デジタル化とDXの違い

IT化とデジタル化は手段で、DXはその先で仕事や事業の進め方を変えることです。3つの違いは、何を変えるかで見ると分かりやすくなります。

呼び方 変えるもの 例
IT化・デジタル化 紙や手作業を、データやツールに置き換える 紙の申請書を電子フォームにする。請求書をPDFで受け取る
業務のデジタル化 1つの業務の流れ全体を、データを前提に組み直す 申請から承認、会計への記録までを、転記なしでつなぐ
DX 業務・組織・顧客への価値の出し方を変える 集まったデータを使って、新しいサービスや価格の決め方を作る

DXのデメリットを考えるとき、この区別は重要です。紙を電子にする段階の取り組みと、組織や事業の進め方を変える段階の取り組みでは、かかる費用も、現場の負担も、効果が出るまでの期間も大きく違います。自社が今どの段階を目指しているのかを決めないまま「DXを進める」と言うと、デメリットの見積もりも外れます。

AIを使ってDXを進める場合も、AIはDXの手段の1つにすぎず、どの業務を変えるかという目的が先に来ます。AIが効くかどうかは、業務の件数や、人の判断が要るかどうかで決まります。

DXのデメリット7つの一覧:表面化する時点と事前に決めること

DXのデメリットは、どれも「いつ表面化するか」と「事前に何を決めておけば防げるか」で整理すると、手を打つ順番が見えます。

7つのデメリットの一覧表

7つを一覧にすると次のとおりです。

デメリット 中身 表面化しやすい時点 事前に決めておけば防げること
初期投資・運用コスト 導入費のほか、毎月の利用料や保守費が続く 企画(見積)・定着(毎月の支払い) 予算の上限と、やめる条件
DX人材の不足 業務とデジタルの両方が分かる人がいない 企画 決める人と、兼任でも担当する人
現場の抵抗 やり方が変わることへの反発や、部門間の摩擦 移行 現場の何が楽になるかと、相談の窓口
効果の見えにくさ 効果が出るまでに時間がかかり、費用対効果を説明できない 定着 成果指標と、着手前の数字
移行期の混乱 既存システムと新しい仕組みの並行運用で手間が増える 移行 並行運用の期間と、切り替えの条件
セキュリティリスク データの置き場所と使う人が増え、情報漏えいの入口が増える 移行 扱ってよいデータと、権限の決まり
ベンダー依存 特定の外注先やツールなしでは直せない状態になる 企画(契約)・定着 社内に残す工程と、成果物の権利

表の右端の列は、どれも着手前の会議で決められることです。DXのデメリットの多くは、DXそのものの欠点ではなく、着手前に決めるべきことを決めないまま進めたときに表面化します。

デメリットが表面化する3つの時点

表面化する時点は、企画・移行・定着の3つに分かれます。企画の段階で決め漏れたことが、移行と定着の段階で費用や混乱として現れます。

DXのデメリットが表面化する時点 企画、移行、定着の3つの時点ごとに、表面化しやすいデメリットを並べた図 ・企画で決めること:目的・成果指標・予算の上限・担当者 ・移行と定着で表面化するデメリットの大半は、企画の決め漏れが原因です 企画 初期投資が膨らむ ・見積の範囲が広すぎる DX人材が足りない ・決める人と担当が不在 ベンダー依存 ・契約で社内に残す物を決めていない 移行 既存システムとの並行運用 ・二重入力で現場が疲れる セキュリティリスク ・権限と持ち出しの決まりが無い 現場の抵抗 ・やり方が変わる理由が伝わらない 定着 ランニングコスト ・使われないツールの月額 費用対効果が見えない ・比べる前の数字が無い 成果の判断 ・続けるかやめるかを決める
デメリットの多くは、企画の段階で決めておけば防げます。
移行と定着で表面化してから手を打つと、費用も時間も余計にかかります。

調査の数字で見るDX導入のデメリット:成果が見えにくく、人材が足りない

DX導入のデメリットのうち「効果が見えにくい」「人材が足りない」の2つは、日本企業で特に重いことが公的な調査で確かめられています。IPAが2025年6月26日に公表した「DX動向2025」は、日本1,535社・米国509社・ドイツ537社の回答を比べた調査です。

調査の項目 日本 米国 ドイツ
DXの成果が出ている企業の割合 6割弱 8割超 8割超
成果が出ているか「わからない」の割合 26.2% 5〜6% 5〜6%
DXの成果指標を設定している企業の割合 3割以下 8割以上 8割以上
DX人材が不足している企業の割合 8割超 ― ―

米国とドイツは、DX人材が「やや過剰である」「過不足はない」と答えた企業が、それぞれ7割、5割程度でした。日本では、成果が出ているかどうか自体が分からない企業が4社に1社あり、成果指標を決めている企業は3割に届きません。成果が「出ない」のではなく「測っていないので分からない」企業が多いことが、効果が見えにくいというデメリットの正体の1つです。

同じ調査は、日本企業のDXの成果がコストの削減や製品を届けるまでの日数の短縮に寄り、米国とドイツは利益や売上の増加、顧客満足度の向上が多いことも示しています。社内の個別の業務を効率化する取り組みが中心で、全社や顧客に向けた変化まで進んでいない企業が多いということです。

費用と人材に関するDXのデメリットと防ぎ方

費用と人材のデメリットは、どちらも企画の段階で表面化し始めます。ここからは7つを、中身、表面化する時点、事前の対策の順に見ていきます。どれも一般的な傾向で、自社でどれが重いかは業務と体制によって変わります。

初期投資とランニングコストがかかる

DXには、ツールやシステムを入れる初期費用に加え、毎月の利用料、保守、社内の担当者が使う時間という運用コストがかかります。見積に載るのは前の2つが中心で、担当者の時間は見落とされがちです。

費用の問題が表面化するのは、見積が出た企画の段階と、導入して数か月たった定着の段階です。定着の段階では、使われなくなったツールの月額だけが残っている、という形で現れます。

防ぐには、着手前に予算の上限と、やめる条件を決めておきます。「3か月試して作業時間が減らなければ解約する」のように条件を言葉にしておくと、使われないツールの費用が続くことを防げます。費用の内訳と、見積のどこが増えやすいかは、ツール利用料・開発・支援・研修に分けて考えると見通しが立ちます。

DX人材の不足と、社内のリテラシーの差

DX人材とは、自社の業務を理解したうえで、デジタルの道具を使って業務の進め方を変えられる人のことです。日本企業の8割超が不足していると答えており、DXを進めるうえで最もよく挙がるデメリットの1つです。人材不足に加えて、部署や年代による使いこなしの差(リテラシーの差)も、一部の人に仕事が集まる原因になります。

人材の問題は、企画の段階で「誰が進めるのか」が決まらない形で表面化します。担当になった1人が、業務の聞き取りから外注先とのやり取り、社内への説明までを抱え、その人が異動すると止まる、という状態がよく起きます。

防ぐには、変えてよいと決める人と、兼任でも担当する人を名前で決めます。専門の人材を採用してから始める必要はなく、業務をよく知る人を担当にして、作る作業は外部に任せる形でも進められます。育てる人材像と育成の段取りは、研修だけで終わらせない仕組みとあわせて計画します。

現場と効果に関するDXのデメリットと防ぎ方

現場の抵抗と効果の見えにくさは、仕組みを使い始めてから表面化するデメリットです。どちらも、使い始める前に現場と経営層へ何を伝え、何を測るかを決めておくことで小さくできます。

現場の抵抗と部門間の摩擦が起きる

DXは仕事のやり方を変えるため、慣れた手順を変えたくない現場から反発が出ることがあります。部門をまたぐ業務では、どの部門の手順に合わせるかで摩擦も起きます。

現場の抵抗が表面化するのは、新しい仕組みを使い始める移行の段階です。企画の会議に現場の人がいないまま決めると、使い始めてから「この場合はどうするのか」という問いが一斉に出て、元のやり方に戻ってしまいます。

防ぐには、現場の誰の、どの作業が楽になるのかを、使い始める前に伝えます。企画の段階で現場の担当者を1人入れ、困ったときの相談の窓口を決めておくと、反発の多くは「分からないことを聞ける先が無い」不安だったと分かることがあります。

効果が出るまでに時間がかかり、費用対効果が見えにくい

DXの効果は、仕組みを入れた直後には出ません。使い方が定着し、業務の手順が新しい形に変わってから効果が出るため、費用が先に出ていき、成果は後から来ます。そのあいだ、費用対効果(ROI)を説明できない状態が続きます。

効果の見えにくさが表面化するのは、定着の段階で「で、何が良くなったのか」と経営層に問われたときです。IPAの調査で、日本企業の26.2%が成果を「わからない」と答えているのは、比べる元の数字を測っていないことが大きな原因です。

防ぐには、成果指標と、着手前の数字を先に記録しておきます。作業時間、処理件数、ミスの数のように、業務の中で数えられるものを選び、1か月分を測ってから始めれば、効果が出たかどうかを数字で説明できます。指標の選び方と、導入前後の比べ方は、継続・中止の判断とあわせて決めます。

システムと外部のサービスに関するデメリットと防ぎ方

既存システムの移行、セキュリティ、ベンダー依存の3つは、社外の仕組みや外注先と関わる部分で起きるデメリットです。情シスが中心になって、決まりと契約の中身を先に固めます。

既存システムからの移行期に業務が混乱する

長年使ってきた既存システム(レガシーシステム)から新しい仕組みへ移るあいだは、2つの仕組みを並べて動かすことになり、二重入力やデータの食い違いが起きます。古いシステムの中身を知る人が退職していると、データをどう取り出すかから調べ直すことになります。

移行の混乱が表面化するのは、切り替えの直前と直後です。並行運用の期間を決めていないと、いつまでも両方に入力し続け、現場の負担だけが増えます。

防ぐには、並行運用の期間と、新しい仕組みへ切り替える条件を先に決めます。「2週間、両方の結果が一致したら古い方を止める」のように条件を置き、移す業務を1つずつに分ければ、混乱の範囲を小さくできます。

セキュリティリスクと情報漏えいの入口が増える

クラウドのサービスや外部のツールを使うほど、データの置き場所と、データに触れる人が増えます。情報漏えいやなりすましの入口が増えることは、DXのセキュリティリスクとして避けられません。

セキュリティの問題が表面化するのは、移行の段階で、現場が便利なツールを独自に使い始めたときです。会社が把握していないところで顧客の情報が外部のサービスに入力される、といった形で起きます。

防ぐには、扱ってよいデータの範囲と、誰がどこまで見られるかの権限を先に決めます。外部のサービスを選ぶときは、データの保存先や学習への利用の有無を情シスが確かめる手順を決めておくと、現場が勝手に使い始める理由も減ります。

特定のベンダーへの依存が強まる

ベンダー依存とは、特定の外注先やツールに任せきりになり、社内では仕組みを直せない状態です。担当者が替わる、料金が上がる、サービスが終わるといったときに、自社で選べる道が無くなります。

ベンダー依存の芽は、企画の段階の契約で生まれ、定着の段階で表面化します。業務の手順を少し変えたいだけなのに、毎回見積をもらう必要がある状態がその兆候です。

防ぐには、社内に残す工程と、成果物の権利を契約の前に決めます。業務の定義や判断の基準のように、業務が変わるたびに直す工程は社内に残し、年に数回しか発生しない作業は外部に任せる、という線を引くのが基本です。外注を減らしていく順番は、社内に残す工程とあわせて段階的に決めます。

DXのメリットとデメリットを並べて判断する

DXのメリットは、作業時間の削減、データに基づく判断、人に頼った業務の解消、顧客への対応の改善、新しいサービスの土台づくりの5つに整理できます。デメリットと並べると、次のようになります。

観点 メリット デメリット
費用 手作業や転記にかかる人件費が減る 初期投資とランニングコストが先に出ていく
人 特定の人しかできない業務が減る 進める人が足りず、一部の人に仕事が集まる
判断 データを見て判断できるようになる 測る数字を決めないと、効果を説明できない
業務 待ち時間や確認の手間が減る 移行期は二重入力や手順の混乱が起きる
顧客・事業 対応が速くなり、新しいサービスの土台ができる 外部のサービスが増え、セキュリティと依存の管理が要る

メリットとデメリットは、同じ観点の表と裏になっています。費用が減るメリットを得るには、先に費用を出すデメリットを受け入れる必要があり、どちらか一方だけを取ることはできません。判断の分かれ目は、デメリットの側を事前の決めごとで小さくできるかどうかです。

現状維持のリスクと比べる:DXを見送るべきかの判断

DXのデメリットが大きく見えるときも、進めない場合に残るリスクと比べてから判断します。進めないという選択にも、費用と手間はかかり続けるからです。

進めない場合に残るリスク

現状維持のリスクは、毎年少しずつ大きくなります。経済産業省は2018年のDXレポートで、複雑化・老朽化した既存システムが残った場合の経済損失を2025年以降に最大12兆円/年と見込み、「2025年の崖」と呼びました。2025年を過ぎた今も、古いシステムが残っている会社では、保守の費用や中身を知る人の退職による負担が続いています。

比べる観点 DXを進めた場合のデメリット 進めない場合に残るリスク
費用 初期投資とランニングコストがかかる 古いシステムの保守費と、手作業の人件費が続く
人 担当者の時間が取られる 業務を知る人が辞めると、その業務が止まる
業務 移行期に手間が一時的に増える 手作業と転記が残り、ミスも減らない
セキュリティ 外部のサービスが増え、管理が要る 保守の終わったシステムやソフトの穴が残る
取引先・採用 効果が出るまで成果を示しにくい 取引先のやり方の変化に合わせられなくなる

経営層に説明するときは、デメリットの一覧だけでなく、表の右の列も並べて示します。「DXをするかしないか」ではなく、「どちらのリスクを、どの範囲で引き受けるか」の判断として話すと、議論が具体的になります。

進めるか・どの範囲から始めるかの判断フロー

見送るかどうかは、目的・成果指標・決める人・予算の上限の4つが決められるかで判断します。4つのどれかが決められないときは、全部を見送るのではなく、決められない部分を先に片づける小さな打ち手に切り替えます。

DXを進めるか・どの範囲から始めるかの判断 4つの問いに順に答え、見送るか、1業務から小さく始めるか、範囲を広げて進めるかを決める ・上から順に答え、最初に右へ抜けたところが今の打ち手です 変えたい業務と、困っ ていることを言葉にで きるか 見送らずに業務の棚卸しから始める ・件数の多い業務を3つ書き出す いいえ はい その業務の成果指標( 時間・件数・ミス)を 測れるか 今の数字を1か月測ってから決める ・作業時間と件数を記録する いいえ はい 社内に業務を変えてよ いと決める人と担当者 がいるか 決める人を経営に立ててもらう ・担当は兼任でもよい いいえ はい 予算の上限と、やめる 条件を先に決められる か 1業務・3か月の小さな試行から始める ・試行の費用だけを先に通す いいえ はい 範囲を広げてDXを進める ・2業務目へ同じ型で広げる
目的と成果指標を決められないうちは、全社で始めずに1業務へ絞ります。
担当者と予算の上限が決まれば、範囲を広げて進めます。

全部を見送るより、1業務・数か月の試行から始めるほうが、判断の材料が手に入るぶん損は小さく済みます。止まっている原因を業務ごとに書き出し、どこから手を付けるかを決める手順は、DX推進の課題を5つの類型に分けて整理すると見つけやすくなります。

DXのデメリットを抑えるスモールスタートの進め方

DXのデメリットを抑えて始めるには、全社の計画から入らず、1つの業務で小さく試すスモールスタートを取ります。進め方は次の5つの手順です。

順番 やること あわせて決めること
1 毎日・毎週くり返し発生し、手作業や転記が多い業務を3つ書き出す 候補の業務をよく知る現場の担当者
2 1つの業務に絞り、作業時間・件数・ミスの数のどれかを1か月測る 効果を説明するときに使う成果指標
3 変えてよいと決める人、担当者、予算の上限、やめる条件を決める 7つのデメリットの防ぎ方の大半
4 3か月ほど試し、着手前の数字と比べる 並行運用の期間と、扱ってよいデータ
5 続けるか、2つ目の業務へ広げるかを判断する 1業務目の手順のうち、使い回すもの

手順の3までは、費用をかけずに社内の会議で決められます。費用が出ていくのは手順の4からなので、試行の費用だけを先に通せば、デメリットの大きさを確かめながら進められます。

ほかの会社がどの業務から手を付け、どの順番で広げたかを知りたいときは、業務別の導入事例が参考になります。成功した会社に共通するのは、最初の業務を小さく選び、成果を数字で示してから範囲を広げている点です。

試す業務を選ぶ段階で、誰に相談するかも決めておくと進みが早くなります。社内に決める人と担当者を置いたうえで、何を作るか・どこまで外部に任せるかを、外部の支援先と一緒に検討するのが一般的です。

まとめ:DXのデメリットは事前の決めごとで小さくできる

  • DXとは、データとデジタル技術で、製品・サービスや業務、組織のあり方まで変えることで、IT化・デジタル化はその手段にあたる
  • DXのデメリットは、初期投資とランニングコスト、DX人材の不足、現場の抵抗、効果の見えにくさ、移行期の混乱、セキュリティリスク、ベンダー依存の7つ
  • 7つの多くは、目的と成果指標、予算の上限とやめる条件、決める人と担当者を企画の段階で決めておけば防げる
  • IPA「DX動向2025」では、日本企業は成果が出ている割合が6割弱、成果が「わからない」が26.2%、DX人材が不足している企業が8割超
  • 見送るか迷ったら、現状維持のリスクと並べて比べ、1業務・数か月の試行から始める

Augueでは、最初に試す1業務の選び方から、成果指標の置き方、AIを使った仕組みづくりと社内に知見を残す進め方までを、DX推進の担当者と一緒に進めています。ご興味がある方は是非ご相談ください。

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よくある質問

DXの代表的なデメリットを、経営層に一言で伝えるなら何ですか?

「お金と人を先に使うのに、成果が数字で見えるまで時間がかかること」です。費用は導入時だけでなく毎月の利用料として続き、担当者の時間も取られます。一方で、比べる前の数字を測っていなければ、成果が出ても説明できません。経営層には、費用の上限・測る数字・やめる条件の3つをセットで示すと、デメリットを承知したうえでの判断になります。

デメリットが大きいと感じたら、DXは見送るべきですか?

全部を見送るより、範囲を絞って始めるほうが損は小さく済みます。見送っても、古いシステムの保守費や担当者の手作業、人が辞めたときに業務が止まる心配は残り続けます。目的と成果指標を決められない、決める人がいない、という状態なら、全社の計画は止めて、1業務を3か月ほど試す費用だけを通す形が現実的です。試した結果で続けるかを決めれば、判断の材料も手に入ります。

社内にDX人材がいないときは、どこから始めればよいですか?

最初から全部を社内で担おうとせず、外部の支援を使いながら、社内に残す工程を先に決めます。残すのは、業務のどこを変えるかを決めることと、出来上がった仕組みの良し悪しを判断することです。作る作業は外部に任せてかまいません。担当者は兼任でよいので、業務をよく知る人を1人決め、外部とのやり取りに同席してもらうと、終わったあとに社内へ知見が残ります。

DXの効果は、着手してからどれくらいで出ますか?

一律の期間は出せません。1つの業務の作業時間を減らす取り組みなら、数か月で前後の数字を比べられることが多い一方、売上やビジネスモデルの変化は年単位で見る必要があります。判断するには、着手前に作業時間・件数・ミスの数のどれで測るかを決め、1か月分を記録しておくことです。比べる元の数字があれば、効果が出たかどうかを早い段階で判断できます。

中小企業や中堅企業でも、同じデメリットを考える必要がありますか?

7つとも当てはまりますが、重さが変わります。規模が小さい会社では、初期投資の額より、担当者1人に仕事が集まり、その人が抜けると止まることのほうが大きな問題になりがちです。逆に、決める人と現場の距離が近いため、現場の抵抗は小さく済むこともあります。自社で重いデメリットを2つほど選び、そこに対策を集めるのが現実的です。