AIでパワポ作成をする方法は、PowerPointに組み込まれたCopilotで作る、Googleスライド・Geminiで作る、スライド生成の専用ツールで作るの3通りです。会社でMicrosoft 365を使っているならCopilot、Google Workspaceを使っているならGeminiから試すのが近道で、どの方法でもいきなりスライドにせず、構成案を作ってからスライドにすると手直しが減ります。

この記事の答え

  • AIでパワポを作るなら、会社で契約しているツール(Microsoft 365かGoogle Workspaceか)に合わせて選びます
  • 無料の範囲は回数や機能に上限があり、Word文書から作る機能などは職場向けの契約が必要です
  • 構成案を作ってからスライドにし、社外に出す前に数字と出典を元の資料と照らします

この記事のツールの機能と契約の条件は、2026年10月9日にMicrosoftサポートの「PowerPoint の Copilot へようこそ」と、Googleヘルプの「Gemini Notebook をアップグレードする」で確かめた内容です。条件は変わることがあるため、使う前にMicrosoftの公式ページとGoogleの公式ページで最新の内容をご確認ください。

パワポをAIで作る3つの方法と無料の範囲

パワポのAIと呼ばれるものは、大きく分けて3種類あります。どれも、作りたい内容を文章で伝えるとスライドの下書きを自動生成し、人が編集して仕上げる点は同じです。違うのは、必要な契約と、作ったあとにPowerPointで編集できるかです。

比べる点 PowerPointのCopilot Googleスライド・Gemini スライド生成の専用ツール
必要な契約 対象のMicrosoft 365のサブスクリプションか、Microsoft Copilotのライセンス Googleアカウント。機能によってはGoogle AIのプランか、対象のGoogle Workspace ツールごとのアカウント。有料プランで機能が広がる
無料で使える範囲 無料では使えない。新規作成にもCopilotを使える契約が要り、Word文書から作るには職場向けのライセンスが要る Gemini Notebookの無料版(Standard)でもスライド資料を作れるが、回数に上限がある 無料プランがあるツールが多いが、作れる枚数や書き出しに制限が付くことがある
書き出せる形式 PowerPointの中で作るため、そのままPPTXとして保存できる Googleスライドからは「ファイル」の「ダウンロード」でPPTXにできる PPTXで書き出せるか、無料プランでも書き出せるかはツールで違う
ファイルから作れるか Word文書から下書きを作れる 読み込ませた資料をもとに作れる PDFや文書の読み込みに対応するツールがある
向いている場面 会社の資料をPowerPointで作り、社内のテンプレートに合わせたい Googleドライブで資料を共有し、共同で編集したい 会社の契約が無いまま、公開してよい内容で手早く試したい

無料でどこまでできるか

無料で試せる範囲はありますが、業務で使い続けるなら、どの方法でも有料の契約を前提にしておくほうが現実的です。PowerPointのCopilotは、Microsoftサポートの説明では、新しいプレゼンテーションを作るにも対象のMicrosoft 365のサブスクリプションかMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。Googleの「Gemini Notebook」(読み込ませた資料をもとに答えたり資料を作ったりするツール)は、Gmailのアカウントで登録できる無料版のStandardでもスライド資料を作れますが、Googleヘルプでは作れる回数が「上限あり」とされ、有料のプランほど上限が高くなります。上限の具体的な件数はヘルプに示されていません。

作ったスライドをPowerPointで編集できるか

PowerPointのCopilotで作った下書きは、最初からPowerPointのファイルなので、そのまま編集・保存できます。Googleスライドで作った場合も、PPTX形式でダウンロードすればPowerPointで開いて編集できます。専用ツールは、画面の中では編集できても、PPTXで書き出すと文字が画像になったり、レイアウトが崩れたりすることがあるため、試すときは最初に書き出して開いてみます。

自社に合うパワポのAIの選び方

ツールの選び方は、機能の多さより、会社の契約と資料を仕上げる場所で決めるほうが失敗しません。社外秘の情報を入れる資料なら、会社で契約しているツールの中で作るのが前提です。個人で登録した無料のツールに会社の資料を入れると、入力した情報を会社が管理できなくなります。

AIでパワポを作るツールの選び方 会社の契約と、資料を仕上げる場所から、PowerPointのCopilot、Googleスライド・Gemini、スライド生成の専用ツールのどれを使うかを決める ・上から順に答え、最初に分かれたところで使うツールが決まります 会社のMicrosoft 365 でCopilotを使えるか PowerPointのCopilotで作る ・Word文書からも作れる(職場向けのライセンス) はい いいえ Google Workspaceを 会社で使っているか Googleスライド・Geminiで作る ・PPTXでダウンロードして渡せる はい いいえ 社外秘の情報を入れず に作れる資料か AIに入れずに作る ・会社の契約が決まるまで待つ いいえ はい 専用ツールの無料プランで試す ・PPTXで書き出せるかを先に確かめる
会社で契約しているツールと、資料を仕上げる場所で選びます。

選ぶときに確かめる4つの点

決める前に、次の4つを確かめます。

確かめる点 試し方 合わないと困ること
日本語で作れるか 日本語で指示を出し、短い資料を1本作ってみる 文字が崩れたり、不自然な訳語が混ざったりする
PPTXで書き出せるか 作った資料をPPTXで書き出し、PowerPointで開く 社外の相手に編集できる形で渡せない
手元のファイルから作れるか Word文書や報告書を読み込ませて作ってみる 内容を一から考えさせることになり、確かめる量が増える
会社のテンプレートを使えるか 社内のテンプレートを指定して下書きを作る 仕上げで見た目を手で直す手間が増える

4つのうち、社外に渡す資料で外せないのはPPTXでの書き出しです。ここで合わないツールは、ほかの点が良くても後で手戻りになります。

PowerPointのCopilotでパワポ作成をする手順

PowerPointのCopilotでの作り方は、白紙から作る方法と、Word文書から作る方法の2つです。どちらも画面の言葉は、Microsoftサポートの「PowerPoint の Copilot へようこそ」に沿っています。

白紙から下書きを作る手順

順番 やること 画面での操作
1 Copilotを開く PowerPointで新しいプレゼンテーションを開き、リボンの「Copilot」を選んで「Copilot ウィンドウ」を開く
2 作りたい内容を伝える ウィンドウの入力欄に作りたい資料の内容を書くか、表示されるおすすめのプロンプトを選ぶ
3 下書きを確かめる 作られたスライドを1枚ずつ見て、要らないスライドを消し、足りない話を追加するよう頼む
4 見た目を整える 「Copilot に新しいデザインを試すように依頼します」のように頼み、デザインを変える
5 保存する そのままPPTXとして保存し、仕上げは人が手で直す

会社のテンプレートを使いたいときは、先にテンプレート(.potxファイル)を開いてから作成を頼むと、その見た目で下書きが作られます。Microsoftサポートは、AIが作った内容には予期しないものや不正確なものが含まれることがあるとして、必ず確認するよう書いています。

Word文書からスライドを作る手順

Word文書のファイルからスライドを作るときは、Copilot ウィンドウのおすすめのプロンプトから「ファイルからプレゼンテーションを作成」を選び、元にするWord文書を検索するか、Word文書のURLを貼り付けます。この機能を使うには、職場向けのMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。個人向けの契約では使えないため、会社で使う前に、情報システムの担当にライセンスの種類を確かめます。

Microsoftサポートの説明で、ファイルから作る元として挙がっているのはWord文書です。PDFから作りたいときは、PDFをWordで開いて文書にしてから使うか、PDFを読み込めるほかのツールを使います。

Googleスライド・Geminiでスライドを作る方法

Googleのツールで作る場合は、Geminiで下書きを作り、Googleスライドで仕上げる流れになります。白紙から一式を作るならGeminiアプリのCanvasでスライドを作ってGoogleスライドへ書き出し、手元の報告書や議事録から作るなら、Gemini Notebookに資料を読み込ませてスライド資料を作ります。

Googleスライドで仕上げた資料は、「ファイル」から「ダウンロード」を選び、Microsoft PowerPoint(.pptx)の形式で保存すると、PowerPointの利用者にも渡せます。書き出すとフォントや図の位置がずれることがあるので、渡す前にPowerPointで一度開いて確かめます。Geminiの画面での細かい操作や、Canvasでスライドを作る手順は、Geminiでの資料作成の記事で詳しく扱っています。

AIで作るパワポは構成案から2段階で進める

どのツールでも、いきなりスライドを作らせると、話の順番が目的とずれていても見た目が整っているため気付きにくくなります。1段階目で目的・読み手・結論・枚数を決めて構成案を作らせ、人が確かめてから2段階目でスライドにすると、作り直しが大きく減ります。

構成案からスライドにする2段階の進め方 構成案を作って人が確かめ、スライドの下書きを作り、編集と確認をして書き出す流れ ・1段階目は文字だけの構成案、2段階目でスライドの下書きにします 構成案を作る 目的・読み手を決める ・結論 ・枚数 構成案を出させる ・各スライドの見出しと要点 人が確かめる スライドにする 下書きを作る ・テンプレートを指定 1枚ずつ直す ・文の量 ・デザイン 仕上げる 数字と出典を照合 PPTXで書き出す 提出
構成案を人が確かめてからスライドにすると、作り直しが減ります。

構成案を作る前に決める4つのこと

決めること 書く内容の例 決めずに頼むと起きること
目的 来期の予算を承認してもらう 説明だけで終わり、何を決めてほしいかが伝わらない
読み手 経営会議の出席者。現場の細かい事情は知らない 専門用語が多く、前提の説明が抜ける
結論 3つの施策のうち、Aに予算を集める 結論が最後まで出てこない資料になる
枚数 本編8枚、補足の資料3枚 1枚に話を詰め込むか、枚数が増えすぎる

4つを先に書いておくと、構成案を確かめるときの基準にもなります。目的に合わないスライドがあれば、その場で消すか入れ替えるよう頼みます。

そのまま使えるプロンプト例

括弧の中を自社の内容に置き換えて使います。1つ目で構成案を作り、人が確かめたあとに2つ目でスライドにします。3つ目と4つ目は、手元の文書や今ある資料から作るときに使います。

構成案を作るプロンプト

(経営会議)で(来期の予算の承認)をもらうための資料の構成案を作ってください。
読み手は(経営会議の出席者)で、(現場の細かい事情)は知りません。
結論は「(施策Aに予算を集める)」です。本編は(8)枚にしてください。
各スライドの見出しと、伝える要点を2行ずつ書いてください。まだスライドにはしないでください。
数字が必要な箇所には、数字を入れずに「要確認」と書いてください。

最後の1文のように、分からない数字を空けておくよう頼むと、仕上げで確かめる箇所が一目で分かります。

構成案からスライドにするプロンプト

上の構成案のとおりに、スライドの下書きを作ってください。
1枚に書く文は3行までにし、詳しい説明はノートに書いてください。
表やグラフにしたほうが伝わるスライドには、その案を書いてください。

構成案を確かめた直後に同じ会話の中で頼むと、決めた順番がそのまま使われます。

Word文書をもとに作るプロンプト

このWord文書をもとに、(取引先の担当者)向けの説明資料を(6)枚で作ってください。
1枚目に結論、2〜5枚目に理由と根拠、6枚目に次にお願いしたいことを置いてください。
文書に書かれていない数字や事実は足さないでください。

元の文書に無い情報を足さないよう頼むと、確かめる範囲が元の文書の中に収まります。

今ある資料を直すプロンプト

このプレゼンテーションの3枚目から5枚目を、1枚にまとめてください。
言いたいことは「(導入の効果)」の1つに絞り、残りの内容は補足の資料に移してください。

一度に全体を直させるより、直す範囲を枚数で指定するほうが、意図どおりに直ります。

AIで作ったパワポを社外に出す前の確認

AIが作った下書きは、そのまま社外に出せる状態ではありません。数字や会社名、製品の仕様に、もっともらしい誤りが混ざることがあるためです。社外に出す前と、機密資料をAIに入れる前に、次の表で確かめます。

確かめること いつ確かめるか 確かめ方
数字 社外に出す前 スライドの数字を1つずつ、元の資料や集計表と照らす
出典 社外に出す前 市場の規模や法令など外の情報には出典を書き、その出典を開いて中身が合っているかを見る
固有の名前 社外に出す前 会社名・製品名・人名の表記を、相手の公式の表記と比べる
画像と素材 社外に出す前 自動生成の画像に、実在の人物や他社のロゴに似たものが無いかを見る
会社の契約 機密資料を入れる前 使うアカウントが会社の契約か、個人の無料のアカウントかを確かめる
学習への利用設定 機密資料を入れる前 入力した内容がAIの学習に使われない設定か、契約の説明で確かめる
社内のルール 機密資料を入れる前 顧客の情報や未発表の数字を入れてよいかを、社内の利用ルールで確かめる

数字と出典は元の資料と照らす

AIが書いた数字は、元の資料と1つずつ照らすまでは使わない、と決めておきます。構成案の段階で「要確認」と書かせておくと、照らす箇所の見落としが減ります。照らす担当を作った人と別の人にすると、思い込みによる見落としも防げます。

機密資料を入れる前に契約と設定を確かめる

入力した内容がどう扱われるかは、ツールよりも契約の種類で決まります。たとえばGoogleヘルプでは、Gemini Notebookの個人向けプランは、フィードバックを送らない限り利用者のデータを学習に使わないとし、Google Workspaceの利用者については、アップロードした資料や質問、回答を人が確認したりAIの学習に使ったりしないとしています。Microsoft 365のCopilotを使う場合も、会社の契約と管理の設定を情報システムの担当に確かめてから、機密資料を入れます。

まとめ:AIでパワポ作成をするなら、契約に合うツールで構成案から作る

  • AIでパワポ作成をする方法は、PowerPointのCopilot、Googleスライド・Gemini、スライド生成の専用ツールの3通りです
  • 無料で試せる範囲はありますが、回数や機能に上限があり、Word文書から作る機能には職場向けのCopilotのライセンスが要ります
  • 社外に渡す資料は、PPTXで書き出してPowerPointで編集できるかを最初に確かめます
  • 目的・読み手・結論・枚数を決めて構成案を作り、人が確かめてからスライドにします
  • 社外に出す前に数字と出典を元の資料と照らし、機密資料は会社の契約と学習への利用設定を確かめてから入れます

Augueでは、資料づくりのように同じ型の作業が繰り返される業務について、どの工程をAIに任せ、どこを人が確かめるかの線引きから、社内で使い続けるための仕組みづくりまでを支援しています。ご興味がある方は是非ご相談ください。

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よくある質問

AIでパワポを作ると、1本あたりどれくらい時間が短くなりますか?

資料の種類と、元になる文書がすでにあるかで大きく変わるため、一律の数字は出せません。見積もるなら、よく作る資料を1種類選び、今のやり方で1本に何時間かかっているかを測ってから、AIで作った場合と比べます。下書きは早く出ても、数字の照合や手直しに時間がかかることが多いので、提出できる状態になるまでの時間で比べるのが確かです。

会社の部署全体で使うなら、何人分の契約から始めればよいですか?

最初は資料を作る回数が多い数人に絞って契約し、1〜2か月試すのが無難です。使った人ごとに、どの資料で使えたか、どこで手直しが多かったかを残しておくと、全員に広げるかを判断しやすくなります。契約の単位や最低人数はプランによって違うため、Microsoftの購入ページやGoogle Workspaceの料金ページで確かめてから決めます。

AIが作ったスライドの文章や画像は、社外の資料に使っても権利の問題はありませんか?

使えるかどうかは、各ツールの利用規約で生成物の扱いがどう決められているかで変わります。とくに画像は、実在の人物や他社のロゴに似たものが出ることがあるため、社外に出す資料では自社で用意した写真や素材に差し替えるほうが安全です。迷うときは、法務の担当に利用規約を見てもらってから使います。

社内のテンプレートの見た目をAIに守らせることはできますか?

PowerPointのCopilotは、会社のテンプレート(.potxファイル)を開いた状態で作成を頼むと、その見た目で下書きを作れます。専用ツールでは自社のテンプレートを読み込めないものもあるため、試す前にテンプレートを取り込めるかを確かめます。読み込めない場合は、文の中身だけをAIで作り、社内のテンプレートへ手で移すほうが仕上がりは揃います。