ChatGPTで動画作成をするときは、台本・ナレーション原稿・字幕の文・画像素材をChatGPTで作り、映像の組み立てと書き出しは動画編集ツールで行います。ChatGPT単体では完成した動画ファイルは作れませんが、動画づくりのうち時間のかかる「何をどの順に見せ、何を話すか」を決める工程は大きく任せられます。業務マニュアル動画や社内研修動画のような、内容が決まっていて更新の多い動画ほど、この分け方が合います。

この記事は2026年10月時点の情報です。サービスの提供状況や料金は変わることがあるため、OpenAIの開発者向けページ(Deprecations)とGoogleのGemini APIの料金ページで最新の内容をご確認ください。

この記事の答え

  • ChatGPTは企画・台本・ナレーション原稿・字幕・絵コンテ・画像素材まで作れるが、動画の組み立てと書き出しは動画編集ツールで行う
  • OpenAIの動画生成モデルSoraのAPIは2026年9月24日に提供が終わったため、映像そのものは撮影・画像素材・別の動画生成サービスで用意する
  • まず社内向けの短いマニュアル動画を1本、台本をシーン表で出させるところから始め、公開前の確認の流れを決めておく

ChatGPTで動画作成はどこまでできるか

ChatGPTで動画作成をするときに任せられるのは、文章と画像で済む工程です。動画の流れを決め、話す内容と画面に出す文字を書き、場面ごとの絵や図を用意するところまでは、ChatGPTとのやり取りで進められます。映像をつなぎ、音声と字幕のタイミングを合わせ、ファイルに書き出す工程は、動画編集ツールの仕事です。

ChatGPTにできること・できないこと

工程ごとに分けると次のとおりです。ChatGPTに任せる工程と、動画編集ツールで行う工程を最初に分けておくと、どこで何を使うか迷いません。

工程 ChatGPTでできること 別のツールで行うこと
企画 目的・見る人・尺から構成案を出す なし
台本(スクリプト) シーンごとのナレーションと画面の文字を表で出す なし
ナレーション 読み上げ用の原稿を書く 声の収録、または音声合成ツールでの読み上げ
字幕 字幕にする文を短く区切る 映像に合わせた表示タイミングの調整
絵コンテ・画像素材 場面の指示を書き、表紙や図解の画像を作る 撮影した映像や画面録画の用意
組み立て・書き出し できない 動画編集ツールで並べて書き出す

できないことの中心は、時間の流れを持つ映像の扱いです。ChatGPTに「動画を作って」と頼んでも、台本や構成は返ってきますが、そのまま再生できる動画ファイルにはなりません。録画した画面や撮影した映像を切ったりつないだりする作業も、編集ツールで行います。

OpenAIの動画生成「Sora」の提供状況

OpenAIは動画を生成するモデルとしてSoraを出していましたが、開発者向けの提供は終わっています。OpenAIによると、Videos APIとsora-2・sora-2-proなどのモデルは2026年3月24日に終了が告知され、2026年9月24日にAPIから削除されました。代わりに使うモデルは示されていません。

そのため、この記事では映像そのものをChatGPTやOpenAIのサービスで作る前提にはしていません。映像は、スマートフォンでの撮影、パソコンの画面録画、ChatGPTで作った画像を並べたスライド形式、またはほかの会社の動画生成サービスで用意します。

無料プランでできる範囲

無料プランでも、台本・ナレーション原稿・字幕の文の作成と、画像の生成までは行えます。使える回数には上限があり、上限の値はOpenAIが時期によって変えているため、ChatGPTの画面に出る案内で確かめてください。動画の組み立ては別のツールで行うので、ChatGPTを有料プランにしても動画ファイルが作れるようになるわけではありません。有料プランを検討するのは、台本の作り直しや画像の生成を1日に何度も行い、無料の上限に当たるようになってからで足ります。

ChatGPTで動画作成する5つの手順

手順は次の5つです。1〜4はChatGPTで進め、5だけを動画編集ツールで行います。ここでは企画と台本づくりの手順1・2を、次の節で手順3〜5を説明します。

ChatGPTで動画を作る5つの手順 目的と尺を決め、台本・ナレーションと字幕・素材をChatGPTで用意し、動画編集ツールで組み立てて書き出す流れ ・手順1〜4の文と画像はChatGPTで作れる ・手順5の組み立てと書き出しは動画編集ツールで行う 1 企画 目的・見る人・ 尺 ・企画メモ 2 台本 シーン表の台本 ・ナレーション ・画面の文字 ・秒数 3 音声と字幕 ナレーション原 稿 ・読み上げ用の文 字幕の文 ・1行の文字数を そろえる 4 素材 絵コンテ ・場面ごとの指示 画像素材 ・表紙・図解 5 編集 組み立て 書き出し
ChatGPTが受け持つのは文と画像までで、映像の組み立ては動画編集ツールで行います。

手順1 目的・見る人・尺を決める

最初に、誰に何を伝える動画か、見終わった人に何をしてほしいか、何分にするかを決めます。この3つが決まっていないと、ChatGPTは誰にでも当てはまる薄い台本を返します。ChatGPTに決めてもらうのではなく、自分で決めた内容を伝えます。

社内向けの動画を作ります。台本の前に、構成案を出してください。
・目的:経費精算システムの申請手順を覚えてもらう
・見る人:入社1か月以内の社員。システムを触ったことがない
・尺:3分
・見終わった人にしてほしいこと:自分で交通費を1件申請できる
構成は、導入・手順・よくある間違い・まとめの4つに分けてください。

手順2 台本をシーンごとの表で出させる

構成案が固まったら、台本をシーン番号・ナレーション・画面に出す文字・秒数の表で出させます。表にすると、あとで編集ツールに並べる順番と長さがそのまま分かります。秒数の合計が尺に収まっているかは、表が出たら自分で足し算して確かめます。

さきほどの構成案で、3分の動画の台本を作ってください。
次の列の表で出してください。
シーン番号|画面に映すもの|ナレーション|画面に出す文字|秒数
・ナレーションは1分間に300字ほどで読める長さにする
・画面に出す文字は1シーン15字以内
・秒数の合計が180秒になるようにする

できた台本は、社内でその業務に詳しい人に読んでもらいます。手順の順番や画面の項目名が実際のシステムと違っていることがあるためです。

手順3〜5 ナレーション・字幕と素材を用意し、動画編集で仕上げる

台本ができたら、音声と字幕、映像の素材をそろえ、最後に動画編集ツールで1本にまとめます。

手順3 ナレーション原稿と字幕を作る

台本のナレーション列を、読み上げ用の原稿と字幕用の文に分けます。読み上げる文は耳で聞いて分かる言い方に、字幕は画面で読みやすい短さにします。自分で録音するか、音声合成ツールで読み上げるかを決めてから原稿を整えると、直しが少なくて済みます。

台本のナレーションを、2つの形に書き分けてください。
1つ目は読み上げ用の原稿です。漢字の読み間違えが起きやすい語にはふりがなを括弧で添えてください。
2つ目は字幕用の文です。1行18字以内、2行までで区切り、シーン番号を付けてください。

字幕を映像に合わせて表示するタイミングは、編集ツールで調整します。編集ツールの中には、ナレーションの音声から字幕を自動で起こす機能を持つものもあるので、その場合はChatGPTで作った字幕の文を正しい表記の見本として使います。

手順4 絵コンテと画像素材を用意する

台本の「画面に映すもの」の列をもとに、場面ごとに何を映すかを絵コンテとして書き出させます。撮影や画面録画が要る場面と、画像で済む場面をここで分けておくと、素材集めの抜けを防げます。

台本の各シーンについて、絵コンテを作ってください。
シーン番号|素材の種類(画面録画・撮影・画像)|映す内容|構図の指示
画像で済むシーンには、画像を作るための指示文も付けてください。
画像の中に文字は入れず、文字は編集ツールで重ねます。

画像素材はChatGPTの画像生成で作れます。日本語の文字は画像の中で崩れることがあるため、文字は編集ツールで重ねるほうが確実です。

手順5 動画編集ツールで組み立てて書き出す

最後に、動画編集ツールで素材を台本の順に並べ、ナレーションの音声を載せ、字幕を重ねて書き出します。動画編集ツールは、パソコンにもスマートフォンにも無料で使えるものがあります。選ぶときは、字幕を入れられるか、音声合成を内蔵しているか、書き出した動画を商用利用してよいかの3点を確かめます。社内で同じツールを使うと決めておくと、担当が替わっても編集の続きを引き継げます。

業務の動画ごとの台本の型

動画の種類によって、適した尺と台本の組み立て方が違います。台本を頼むときは、次の型をプロンプトに書き添えると、目的に合った構成が返ってきやすくなります。

動画の種類 尺の目安(分) 1シーンの画面の文字(字) 台本の組み立て方 見出しの付け方
業務マニュアル動画 1〜3 15以内 操作1つを1シーンにし、画面の項目名をそのまま読む 「手順1 申請画面を開く」のように番号と操作で付ける
社内研修動画 5〜10 20以内 章ごとに要点・例・確認問題の順に並べる 「第2章 よくある間違い」のように章で付ける
採用動画 1〜3 15以内 仕事の場面・働く人の声・応募方法の順に並べる 見出しは出さず、人の名前と役割を字幕で出す
SNSの短い動画 0.25〜1 10以内 最初の数秒で結論を出し、理由を2〜3つ続ける 冒頭に問いかけの一文を大きく出す

尺と文字数は、見る人が画面の文字を読み切れることを基準にした目安です。社内で何本か作ったら、最後まで見られたかどうかを見て自社の値に直します。

マニュアル動画と研修動画の台本で気をつけること

マニュアル動画は、画面の操作と台本の言葉がずれると見る人が迷います。ボタンの名前や項目名は、ChatGPTに推測させず、実際の画面から写して台本に書き込みます。研修動画は長くなりやすいので、1本を10分以内に区切り、章ごとに別の動画にすると、制度が変わったときに直す範囲が小さくなります。紙のマニュアルが既にあるなら、それを読ませて台本の下書きを作らせると早く進みます。

採用動画とSNSの短い動画の台本で気をつけること

採用動画やSNSの動画は社外の人が見るため、事実の確認と表現の確認が欠かせません。社員の発言として台本に書く言葉は、ChatGPTに作らせず、本人に聞いた話をもとにします。架空の発言を本人の言葉として流すと、本人にも見る人にも誤解を与えます。SNSの動画は投稿の文章と一緒に作ることが多いので、台本と投稿文を同じやり取りの中で作らせると、言っていることがずれません。

GPTsで台本の型を社内で使い回す

同じ種類の動画を何本も作るなら、GPTsで台本づくり専用のChatGPTを作っておくと便利です。GPTsは、決まった指示や参考資料をあらかじめ持たせたChatGPTを作れる機能です。上の表の型と、社内の表記のルールを指示として入れておけば、担当者が替わっても同じ形の台本が出てきます。作ったGPTsを社内で共有できるかは、契約しているプランと管理者の設定によるので、情報システムの担当者に確かめてください。

ChatGPTで動画作成するときの社内ルール

社内で動画を作り続けるなら、作り方と一緒に、何を確かめてから公開するかを決めておきます。ここでは、著作権・肖像権、使うツールの商用利用の規約、公開前の確認の流れの3つを扱います。

著作権と肖像権で注意すること

プロンプトには、実在の人物の名前や、映画・アニメ・キャラクターなどの作品名を入れません。「〇〇風の絵」と頼んで作った画像が、元の作品とよく似てしまうと、著作権の問題になりえます。実在の人物に似せた画像や声も、肖像権やパブリシティ権の問題になりえます。

社員が出演する動画は、撮影前に本人の了解をとり、退職後も使い続けるかどうかまで決めておきます。BGMや効果音も、使ってよい範囲が素材ごとに決まっているので、出どころを記録しておきます。

使うツールの商用利用の規約を確かめる

ChatGPT、画像生成、音声合成、動画編集、BGMの素材と、動画づくりでは複数のツールを使います。商用利用してよいかの条件はツールごとに違うため、社外に出す動画では、使ったツールすべての利用規約を確かめます。無料プランだけ商用利用を認めていない、書き出した動画にロゴが入る、といった条件もあります。社内向けの動画でも、あとで社外に出す可能性があるなら、最初から商用利用できるツールで作るほうが手戻りがありません。

事実の確認と公開前の承認の流れ

ChatGPTが書いた台本には、もっともらしい誤りが混ざることがあります。台本の段階で業務に詳しい人が事実を確かめ、書き出したあとに作った人とは別の人が公開を承認する、という2回の確認を決めておきます。

社内で作る動画の確認の流れ 作成担当がChatGPTで台本と素材を作り、内容の責任者が事実を確かめ、公開の承認者が権利と公開を判断する流れ ・台本の段階で事実を確かめ、書き出したあとに権利と公開を確かめる 作 成 担 当 内 容 の 責 任 者 公 開 の 承 認 者 台本と素材を作る ・ChatGPTで下書き 事実を確かめる ・手順・数字・制度 編集して書き出す 権利を確かめる ・素材・音楽・人物 公開を承認する 制作記録(プロンプト・素材の出どころ・承認日)
公開してよいかは、作った人とは別の人が決めます。

確認する人を決めずに始めると、作った人がそのまま公開することになり、誤りや権利の問題を見つける機会がなくなります。プロンプト、使った素材の出どころ、承認した日を記録に残しておくと、あとで問題が見つかったときに、どの動画のどの素材かをすぐたどれます。

映像の生成をAPIで行う場合の費用

撮影や画面録画ではなく、映像そのものをAIで生成したい場合は、動画生成モデルをAPIで使う方法があります。費用は生成した動画の長さで決まることが多く、たとえばGoogleのVeo 3.1は1秒ごとの課金です。

モデル 解像度 1秒あたりの料金(ドル) 無料枠
Veo 3.1 720p・1080p 0.40 なし
Veo 3.1 Fast 720p 0.10 なし
Veo 3.1 Fast 1080p 0.12 なし

2026年10月10日にGemini APIの料金ページで確認した、有料枠の音声つきの料金です。Veo 3.1 Fastで720pの映像を30秒作ると、1回で3ドルになります。思いどおりの映像になるまで何度か作り直すことが多いため、費用は「完成した秒数」ではなく「作り直しを含めて生成した秒数」で見積もります。APIを使うにはプログラムを書く必要もあるので、業務の動画では、まず撮影や画像素材で作れないかを考え、生成が要る場面だけに絞ると費用を抑えられます。

まとめ:ChatGPTで動画作成するときは台本までを任せ、確認の流れを決める

  • ChatGPTで動画作成をするときは、企画・台本・ナレーション原稿・字幕・絵コンテ・画像素材をChatGPTで作り、組み立てと書き出しは動画編集ツールで行う
  • OpenAIのSoraのAPIは2026年9月24日に提供が終わっており、映像は撮影・画面録画・画像素材・ほかの動画生成サービスで用意する
  • 無料プランでも台本・原稿・画像までは作れる。有料プランにしても動画ファイルが作れるようになるわけではない
  • 台本はシーン番号・ナレーション・画面の文字・秒数の表で出させ、動画の種類ごとの尺と文字数の型をプロンプトに添える
  • プロンプトに実在の人物名や作品名を入れず、使うツールすべての商用利用の規約を確かめる
  • 台本の事実確認と、作った人とは別の人による公開の承認を、社内ルールとして決めておく

動画づくりを担当者1人の工夫で終わらせず、型と確認の流れを社内に残すと、担当が替わっても同じ質で作り続けられます。

Augueでは、生成AIを社内の業務に組み込み、現場の担当者が自分たちで使い続けられるようにする内製化の支援を行っています。動画づくりのような業務でも、AIに任せる範囲と人が確認する範囲の線引きから一緒に整理しています。ご興味がある方は是非ご相談ください。

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よくある質問

ChatGPTを使うと、動画1本を作る時間はどれくらい短くなりますか?

短くなる時間は、動画の長さや素材の量、確認に関わる人数で大きく変わるため、一律の数字は出せません。目安をつかむには、最初の1本で「企画と台本」「素材集め」「編集」「確認と修正」の4つに何時間かかったかを記録し、これまで外注や手作業で作っていたときの時間と比べます。台本づくりの時間が縮んでも、確認と修正の時間が残ることが多いので、そこも一緒に測ります。

スマートフォンだけで動画を作れますか?

作れます。ChatGPTはスマートフォンのアプリでも使えるので、台本やナレーション原稿、字幕の文はスマートフォンで作れます。組み立てと書き出しも、スマートフォン向けの動画編集アプリで行えます。ただし、字幕の位置を細かく合わせる作業や、長い研修動画の編集は画面が小さいと手間がかかるため、数分を超える動画はパソコンで仕上げるほうが楽です。

外注の動画制作と比べて、社内で作るほうがよいのはどんな動画ですか?

内容の更新が多い動画は社内で作るほうが向いています。たとえば手順が変わるたびに直す業務マニュアル動画や、制度の改定に合わせて作り直す研修動画は、外注すると修正のたびに依頼と見積が要ります。一方、会社の顔になる採用のブランド動画や、撮影・演出の質が問われる広告の動画は、台本だけ社内で作り、撮影と編集は外注に任せる分け方もあります。

作った台本やナレーションの文章は、社外の人に見せても問題ありませんか?

ChatGPTが出した文章をそのまま社外に出す前に、他社の文章や既存の作品とよく似た言い回しになっていないかを確かめます。社名や商品名、実在の人物に触れている箇所は、事実と合っているか、本人や相手先の了解が要らないかも見ます。社内の機密を入力して作った台本は、公開してよい情報だけが残っているかを、公開前に責任者が読み直してください。