Claudeのプロジェクトとは、資料と指示をまとめて置き、その中で始めたチャットすべてに同じ前提を効かせられる作業場です。無料プランでも5つまで作れ、部署のメンバーと共有して使うにはTeamかEnterpriseの契約が要ります。毎回同じ資料を貼り直している業務があるなら、まず自分の担当業務で1つ作って試すのが早道です。
この記事は、2026年10月23日に確認したClaudeのヘルプセンターと料金ページの内容をもとにしています。画面の名前や上限は変わることがあるため、使う前にClaudeのヘルプセンター(support.claude.com)で確かめてください。
この記事の答え
- Claudeのプロジェクトは、独自のチャット履歴とナレッジを持つ作業場で、入れた資料と指示がプロジェクト内の全チャットで使われます
- 無料プランは5つまで作れますが、ほかの人との共有と権限の設定はTeamとEnterpriseだけの機能です
- 自分の業務で1つ作って試し、部署で同じ資料を使いたくなったらTeamの契約を検討します
Claudeのプロジェクトとは|チャット履歴とナレッジを持つ作業場
Claudeのプロジェクトは、プロジェクトごとに独自のチャット履歴とナレッジベースを持つワークスペースです。プロジェクトナレッジに文書・テキスト・コードなどをアップロードしておくと、そのプロジェクトの中で始めたどのチャットでもClaudeがその資料を踏まえて答えます。
プロジェクトに入れておけるもの
プロジェクトに置けるのは、資料(ナレッジ)と指示の2つです。資料は手順書・規程・過去の報告書のようなファイルで、指示は「答えは箇条書きで」「社内の用語で書く」のような、毎回守ってほしい決まりです。どちらも一度入れておけば、新しいチャットを始めるたびに貼り直す必要がありません。
普通のチャットとの違い
普通のチャットは1回ごとに前提を伝え直しますが、プロジェクトでは資料と指示が最初から読み込まれた状態で始まります。ただし、プロジェクト内のチャットどうしで共有されるのはナレッジに入れた情報だけです。あるチャットで話した内容は、別のチャットからは見えません。別のチャットでも使いたい結論は、文書にしてナレッジへ足します。
ChatGPTのGPTs・プロジェクトとの違い
ChatGPTのGPTsは、指示と資料を持たせた専用のChatGPTを作り、ほかの人に使ってもらう形の機能です。ChatGPTにも資料と指示をまとめるプロジェクトの機能があり、考え方はClaudeのプロジェクトに近いものです。違いが出るのは主に、どの契約で共有でき、誰が中身を直せるかです。すでにChatGPTを社内で使っているなら、乗り換えるかどうかより、部署の資料をどちらの契約の中で扱うと社内のルールに合うかで決めるほうが、判断を誤りにくくなります。
Claudeのプロジェクトは無料で使えるか|プランごとの上限
Claudeのプロジェクトは無料プランでも使え、無料では最大5つまで作れます。Pro・Max・Team・Enterpriseの有料プランでも使えます。
| プラン | 作れる数 | 資料が多いときの扱い | ほかの人との共有 |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | 5つまで | コンテキストに収まる量まで | できない |
| Pro・Max | 数の上限は示されていない | 自動でRAGに切り替わる | できない |
| Team・Enterprise | 数の上限は示されていない | 自動でRAGに切り替わる | できる |
ファイルは1つ30MBまで、数の上限は無い
プロジェクトに入れるファイルは1つ30MBまでで、数の上限はありませんが、中身の合計がコンテキスト(Claudeが一度に読める量)に収まる必要があります。PDFの手順書や規程を数本入れる程度なら、多くの場合は収まります。何十本もの資料を入れたいときは、次のRAGの扱いが関わってきます。
資料が多いときはRAGに切り替わる
有料プランでは、ナレッジがコンテキストの上限に近づくと、自動でRAG(資料の中から質問に関係する部分を探して読む方式)に切り替わり、入れられる量が最大で10倍に広がります。利用者が設定を変える必要はありません。無料プランにはこの切り替えが無いため、資料の量が多い業務で試すなら、有料プランが前提になります。
料金とプランごとの違いは、Claude Teamの記事で比べています。
Claudeのプロジェクトの使い方|作成から既存チャットの移動まで
Claudeのプロジェクトは、画面左の「Projects」か claude.ai/projects を開き、右上の「+ New Project」から作成します。名前と説明を入れたら、資料と指示を足して使い始めます。
名前と説明はClaudeには見えません。
プロジェクトを作成する手順
作成の段階で決めるのは名前と説明だけで、資料と指示は後から足せます。
| 順番 | やること | 画面の名前 |
|---|---|---|
| 1 | プロジェクトの一覧を開く | 左の「Projects」、または claude.ai/projects |
| 2 | 作成を始める | 右上の「+ New Project」 |
| 3 | 名前と説明を入れる | 名前・説明の欄 |
| 4 | 公開の範囲を選ぶ(TeamとEnterpriseのみ) | 非公開、または組織に共有 |
| 5 | 資料を足す | プロジェクトナレッジの「+」 |
| 6 | 指示を書いて保存する | 「Set project instructions」 |
名前と説明は人が見分けるための欄で、Claudeからは見えません。Claudeに伝えたい前提は、説明欄ではなく指示に書きます。
使わなくなったプロジェクトはアーカイブでき、削除したいときはアーカイブしたものを元に戻してから削除します。いきなり消せない作りなので、部署で使っていたプロジェクトを片付けるときは、まずアーカイブにして困る人がいないかを確かめる、という手順を取れます。
既存のチャットをプロジェクトへ移す
プロジェクトを作る前に始めたチャットも、後からプロジェクトへ移せます。チャット名の横の矢印を開き、「Add to project」を選んで移動先のプロジェクトを指定します。続きの話を同じ資料のもとで進めたいときに使います。
指示とプロジェクトナレッジの入れ方|カスタム指示の書き方と例
プロジェクトの指示は、Claudeにどう答えてほしいかの決まりを書く欄で、保存するとそのプロジェクトの全チャットに効きます。いわゆるカスタム指示をプロジェクト単位で持てる、と考えると分かりやすい機能です。
指示に書く内容と例文
指示には、役割・答えの形・資料の使い方・分からないときの振る舞いの4つを書くと、答えが安定します。たとえば、社内の手順書をもとに問い合わせへの返信を下書きさせるなら、次のように書きます。
あなたは総務の問い合わせに答える担当者の補佐です。
・答えは、プロジェクトに入れた「社内手続きの手順書」を根拠に書いてください。
・答えの最後に、根拠にした手順書の章の名前を書いてください。
・手順書に書かれていないことは推測で答えず、「手順書に記載がありません」と書いてください。
・社外の人に送る文ではないので、敬語は丁寧語にとどめ、3〜5行で書いてください。
手順書に無いことを推測で埋めさせない一文は、部署で使うプロジェクトでは必ず入れておきたい決まりです。
決まった作業手順を何度も使い回したいときは、プロジェクトではなくSkillsのほうが向く場合があります。Skillsは手順をまとめたフォルダを必要な場面だけ読み込む機能で、プロジェクトの外でも呼び出せます。
ナレッジにアップロードするファイルの選び方
ナレッジには、答えの根拠にしてほしい最新の版だけを入れます。古い版と新しい版の規程が両方入っていると、Claudeがどちらを根拠にしたかが分かりにくくなります。ファイル名に版や日付を入れ、改訂したら古い版を外す運用にしておくと、答えの食い違いを減らせます。
プロジェクトごとのメモリ
プロジェクトにはそれぞれメモリがあり、ほかのプロジェクトのメモリは使いません。設定の「Use account memory」をオフにすると、アカウント全体のメモリからも切り離せます。部署の業務のプロジェクトに、個人的なやり取りで覚えた内容を混ぜたくないときに使う設定です。
Teamプランでの共有と権限|閲覧と編集の2段階
プロジェクトをほかの人と共有できるのは、TeamとEnterpriseのプランだけです。無料プランやPro・Maxでは、プロジェクトは自分だけの作業場として使います。
「閲覧可能」と「編集可能」の違い
共有する相手には、「閲覧可能」と「編集可能」のどちらかの権限を付けます。
| 権限 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 閲覧可能 | 内容・ナレッジ・指示を見て、プロジェクトの中でチャットする | 指示やナレッジの変更 |
| 編集可能 | 指示とナレッジの変更、メンバーの追加・削除、設定の更新 | — |
部署で使うなら、指示とナレッジを直せる「編集可能」の人を少数に絞り、ほかのメンバーは「閲覧可能」にしておくのが安全です。編集できる人が多いと、誰かが古い資料を足したり指示を書き換えたりしても気付きにくくなります。
共有先の選び方と管理者の設定
共有先は、個別のメンバー・複数のメンバーの一括・組織全体から選べます。組織の管理者は、組織でのプロジェクトの共有そのものをオフにでき、Enterpriseでは役割ごとにオフにできます。部署で使い始める前に、情シスや管理者に共有が許されているかを確かめておくと、作った後で使えないという事態を避けられます。
無料で試すか、Teamを契約するかの判断
自分の業務で試すだけなら無料プランで足り、部署のメンバーと同じプロジェクトを使いたくなった時点でTeamを検討します。
共有するか、数と資料の量が足りるかで決める
判断の分かれ目は、ほかの人と同じプロジェクトを使うかどうかです。共有しないなら、プロジェクトの数か資料の量が足りなくなったときに、個人の有料プランへ切り替えます。
契約の前に無料プランで確かめること
部署で共有する前提なら、いずれTeamかEnterpriseが要ります。ただ、最初から契約するより、担当者が無料プランで1つ作り、指示と資料の入れ方で答えがどこまで安定するかを見てから判断するほうが、契約の理由を説明しやすくなります。
業務でのClaudeプロジェクトの使い方|2つの型
業務での使い方は、部署の資料を入れて答えさせる型と、社内の決まりを指示に入れて書かせる型の2つに分けると、どの業務から始めるかを選びやすくなります。
部署の資料を入れて答えさせる
手順書・規程・過去の回答集のような資料を入れ、質問への答えや返信の下書きを作らせる型です。問い合わせが多く、答えの根拠が資料に書かれている業務に向きます。チャットでは、次のように資料の範囲を指定して頼むと、根拠のない答えが混ざりにくくなります。
手順書の「出張精算」の章をもとに、海外出張の日当の申請に必要な書類を箇条書きで教えてください。章に無い内容は「記載なし」としてください。
社内の決まりを指示に入れて書かせる
社内の表記のルールや文書の型を指示に入れ、報告書や案内文を同じ形で書かせる型です。担当者によって書き方がばらつく文書や、毎回同じ構成で作る定例の文書に向きます。ナレッジには、うまく書けた過去の文書を見本として1〜2本入れておきます。
今週の作業メモを渡すので、ナレッジの「週次報告の見本」と同じ構成で報告書にしてください。数字はメモにあるものだけを使い、無い数字は空欄にしてください。
どちらの型でも、最初は答えが正しいかを担当者がすぐ見分けられる業務から始めると、試した結果を判断しやすくなります。
社内で使うときの情報の扱い|入れてよい資料と共有の範囲
部署でプロジェクトを使うときは、入れる資料を社内のルールで決めた範囲に限り、共有の範囲は資料を読んでよい人の範囲に合わせます。プロジェクトの共有は、ナレッジに入れた資料を相手が読める状態にすることでもあるからです。
| 資料の種類 | 入れてよいか | 共有の範囲 |
|---|---|---|
| 全社に公開している規程・手順書 | 入れてよい | 組織全体でもよい |
| 部署の中だけで使う手順書・過去の回答集 | 社内のルールで認めていれば入れてよい | 部署のメンバーを個別に指定する |
| 取引先との契約書・見積の原本 | 原則入れない。使うなら社名や金額を伏せる | 担当者だけ |
| 個人情報を含む名簿・人事の資料 | 入れない | — |
| パスワード・APIキーなどの認証情報 | 入れない | — |
組織全体に共有するのは、全社に公開している資料だけを入れたプロジェクトに限るのが無難です。部署の資料を入れたプロジェクトを組織全体へ共有すると、本来は部署の外に出さない資料まで読める状態になります。入れてよい資料の線引きそのものは、生成AIの利用規定で決めておくと、プロジェクトごとに迷わずに済みます。
新しい版のプロジェクト(ベータ)について
新しい版のプロジェクトはベータとしてClaude Codeから段階的に提供されており、1つのプロジェクトを1つの会話として扱い、作業を並列のスレッドに分けて進める形です。対象は一部のProとMaxの利用者で、のちにチャット・Cowork・Team・Enterpriseへ広げる予定とされています。部署で今すぐ使うのは、この記事で扱った現行のプロジェクトです。
まとめ:Claudeのプロジェクトは1つ試してから共有を決める
- Claudeのプロジェクトは、チャット履歴とナレッジを持つ作業場で、入れた資料と指示がプロジェクト内の全チャットで使われる
- 無料プランは5つまで。ファイルは1つ30MBまでで、有料プランでは資料が多いと自動でRAGに切り替わる
- 作り方は「+ New Project」から名前と説明を入れ、ナレッジと「Set project instructions」で資料と指示を足す。既存のチャットは「Add to project」で移せる
- 共有と権限(閲覧可能・編集可能)はTeamとEnterpriseだけ。編集できる人は少数に絞る
- 入れる資料は社内のルールで決めた範囲に限り、共有の範囲は資料を読んでよい人に合わせる
Augueでは、Claudeのプロジェクトを試す業務の選び方から、入れてよい資料を決める社内ルールづくり、部署での定着までを支援しています。ご興味がある方は是非ご相談ください。
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よくある質問
部署で最初に作るプロジェクトは、どの業務を選べばよいですか?
同じ資料を毎回チャットに貼り直している業務、または同じ前提を何度も説明している業務から選ぶのが無難です。選ぶときは、入れる資料が社外秘を含まないこと、答えが正しいかを担当者がすぐ見分けられることの2点も確かめます。たとえば、社内の手順書をもとにした問い合わせへの下書きは、間違いに気付きやすく、試しやすい業務です。1つ動かして手間が減ったと分かってから、2つ目の業務へ広げます。
社内の文書を検索して答えるAI(社内RAG)を作るのと、何が違いますか?
Claudeのプロジェクトは、手元の資料をアップロードするだけで始められる手軽さが強みです。一方で、資料を入れ替えるのは人の作業で、部署ごとに読める文書を分けるといった細かい権限の管理には向きません。文書が数百、数千とあり、常に最新の版を参照させたい、閲覧の権限を文書ごとに守りたい、といった条件があるなら、社内の文書の置き場とつないだ仕組みを別に作るほうが合います。
プロジェクトを使って効果があったかは、どう確かめればよいですか?
一律の目安は出せないため、試す前と後で同じものを測ります。測りやすいのは、1件の下書きや回答にかかる時間、チャットに資料や前提を貼り直した回数、Claudeの答えを人が直した箇所の数です。2〜3週間ほど同じ業務で記録を取り、直す箇所が減らないなら、指示の書き方か入れている資料を見直します。測る項目は、試す前に決めておくと比べやすくなります。
指示はどれくらいの長さで書けばよいですか?
長さの決まりはありませんが、毎回のチャットで守ってほしいことに絞ると、Claudeの答えが安定します。役割、答えの形、使う資料の優先順位、分からないときの振る舞いの4つが書けていれば、まずは足ります。答えの細かな言い回しまで指示に詰め込むより、うまくいった回答の見本をナレッジに1つ入れておくほうが、狙った仕上がりに近づきやすくなります。
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