AI活用事例を探すときに知りたいのは、自社と似た課題を持つ会社が、どこから始めて何が変わったかです。この記事では、当社(Augue)が支援した6社のAI活用事例を、課題、どのように解決したか、結果の順で紹介します。あわせて、請求書処理や社内問い合わせなど業務別のAIエージェント活用事例と、自社で最初に試す業務の選び方を整理します。

この記事の答え

  • 6件の事例は、どれも1つの業務の一部から始め、レポート作成が30分から約3分、商材の分析が2日から約10分のように、数字で効果が出ています
  • 任せやすいのは、件数が多く、良し悪しの基準を言葉にできる業務です
  • 最初の1業務には、毎月くり返す資料づくりや社内の問い合わせのように、効果を測りやすい業務が候補になります

AI活用でできること

仕事の中でAIに任せられるのは、大きく分けて次の4つです。どれも最後の確定は人が行い、AIはその手前までを受け持ちます。

できること 仕事の中での例 人が残すこと
書類やデータを読み取って整える 請求書の項目を抜き出す、数値を集計してレポートの形にする 数字が合わないものの扱い、支払の確定
社内の資料を探して答える 規程やマニュアルから答えを探し、出典つきで返す 規程の解釈が分かれる相談、前例のない相談
下書きを作る 提案資料、広告のバナー、LPの構成と見た目の案を作る 方針、価格、社外へ出すかどうかの判断
調べてまとめる 商材や市場を調べ、分析の結果を一覧にする どの結論を採るか、次に何をするか

どの行でも、AIの出力をそのまま社外へ出さず、人が見てから確定させる形が基本です。以下の6件の事例も、この線引きの上で進めています。

当社のAI活用事例6選

ここからは、当社がご支援した事例の中から6件をご紹介します。各社のお話は、当社の導入事例ページでも詳しく紹介しています。

1. 広告・マーケティングの会社:レポート作成を30分から約3分に、運用工数は約50%削減

課題

広告の配信事業を少人数で運営しており、レポート作成、資料づくり、案件の管理をすべて人の手で行っていました。レポートは毎日、案件ごとに作る必要があり、案件が増えるほど作業も増えます。広告運用は人の経験に頼る部分が大きく、担当者を一定の水準まで育てるには半年〜1年ほどかかるため、人を増やして解決するのも難しい状況でした。

どのように解決したか

最初に取り組んだのは、社内の問い合わせに答えるAIです。広告運用の仕様の確認や、過去のノウハウを探す場面に絞りました。想定より正確に答えが返り、社内で自然に使われるようになったため、レポート作成、分析、提案までを受け持つAIエージェントの開発へ進みました。

  1. 担当者の判断のしかたを言葉にする広告運用には、現場での例外の判断や細かな調整が多くあります。「この場合はどう判断するか」「どの条件を優先するか」を1つずつ洗い出し、判断の分かれ道として整理しました。この作業に約2か月かけています。
  2. まず作って、週1回以上の打ち合わせで直す最初から完成形を目指さず、「まず作ってみる」方針で始めました。打ち合わせで出た要望をその場で仕様に落とし、約3か月で実際の運用に使える水準に届いています。
  3. AIが改善案を出し、人が承認する運用の調整は、AIが数字を見て改善案を示し、担当者が承認する形にしました。対象は、成果のデータが広告の管理画面につながっている案件に絞っています。

結果

  • レポーティング工数:30分 → 約3分
  • 運用工数:約50%削減
  • CPA:約20%改善
  • 提案資料作成時間:90分 → 約15分

CPA(成果1件を得るのにかかった広告費)が約20%改善した案件が出ているのは、AIがすぐに改善案を出すことで判断までの時間が縮み、試せる回数が増えたためです。提案資料は、お客様の業種や課題に合わせた内容を短い時間で作れるようになり、提案の数とアポイントの数も増えています。

自社で試すときのポイント

  • 判断が人によって違う業務は、先に判断の分かれ道を書き出します。書き出す作業そのものが、業務の標準化にもつながります
  • 最初はデータがそろっている案件に絞ると、AIの判断が正しいかを確かめやすくなります
  • AIに決めさせず「案を出して人が承認する」形にすると、現場が安心して使い始められます

2. 広告・マーケティングの会社(アフィリエイト事業):売上1.5倍、商材の分析は2日から約10分に

課題

化粧品や美容、クリニックの集客などの成果報酬型の広告を扱っており、商材の分析、誰に売るかの設計、広告の方針づくり、バナーの制作まで、すべてを人の手で行っていました。商材の分析だけで1案件に2日ほどかかることもあり、扱える案件の数に限りがありました。人が調べられる範囲には偏りも出るため、打ち手の幅も限られていました。

どのように解決したか

「こういうものを作りたい」という構想をそのまま当社と共有し、実現できるか、どこに課題があるかをすり合わせるところから始めました。

  1. 分析の考え方の順番をAIに渡す「誰に向けた商品か」「どんな悩みを持つ人に響くか」「その悩みの背景にどんな気持ちがあるか」と深掘りしていく、担当者の考え方の順番をAIに組み込み、分析を任せました。最終確認は人が行います。
  2. バナーも動画の台本もAIが下地を作るバナーは、デザインとコピーの下地をAIが作り、人が仕上げます。TikTokやYouTubeショートの動画広告は、成果の出ている広告の傾向に、商材の分析結果と売りたい相手の情報を組み合わせて台本を作ります。台本が一般的すぎる、逆に参考にした広告に似すぎる、という問題は、当社のエンジニアとAIへの指示文(プロンプト)の改良を重ねて抑えました。
  3. 週1〜2回の短い周期で直す試して直す周期を短く回し、約3.5か月で実用の水準に届いています。

結果

  • 売上:1.5倍に向上
  • 商材分析に要する時間:2日→ 約10分に
  • 工数:約8割のクリエイティブをAI生成
  • 制作コスト:月約30万円削減

売上が伸びたのは、広告の案を多く作れるようになり、どの訴求が効くかを早く見極められるようになったためです。コストの削減は、外注していたモデル撮影の費用が主です。1人で1案件が限界だった体制から、1人で2〜3案件を同時に担当できるようになりました。

自社で試すときのポイント

  • 担当者の頭の中にある「考える順番」を書き出して渡すと、AIの分析の質が安定します
  • 参考にした広告をAIに渡すときは、似すぎていないかを人が確かめる工程を残します
  • 作れる数が増えた分を検証の回数に回すと、成果につながりやすくなります

3. 広告・マーケティングの会社(広告代理店):Geminiだけで提案資料づくりを自動化し、1人あたり月20時間を削減

課題

お客様ごとの提案資料を、業界の動向の調査から、提案の骨子、スライドのデザインまで毎回一から手で作っており、営業担当者の時間を圧迫していました。資料の出来も担当者によってばらついていました。社内の規定で外部の生成AIツールを使えないことも、AI活用を進める上での壁でした。

どのように解決したか

社内の規定を満たすGoogle Workspace with Geminiの中だけで、調査からスライドの作成までを自動でつなぐ仕組みを作りました。

  1. DeepResearchで公開されている情報を調べるGeminiのDeepResearchの機能で、お客様の業界の動向などを幅広く調べ、ヒアリングの内容と合わせて提案の骨子を作ります。
  2. 骨子からGoogleスライドを作るGAS(Google Apps Script。Googleのサービスを動かすための小さなプログラム)とGeminiをつなぎ、骨子からGoogleスライドまでを自動で作ります。スライドに入れる画像もGeminiで作り、見やすさを保っています。
  3. 新しいツールを持ち込まない社内で契約済みの環境の中で完結させたため、社内の規定を守ったまま使い始められました。

結果

  • 一人あたり月20時間の工数削減
  • 特に時間のかかっていたスライド作成で、40〜60%の工数削減
  • 資料を作る手順が決まり、経験の浅いメンバーでも一定の完成度で資料を作れるようになった

自社で試すときのポイント

  • 外部のAIツールが使えない会社でも、契約済みのツールのAI機能と、そのツールを動かす仕組み(GASなど)を組み合わせれば自動化できる場合があります
  • 資料づくりを「調べる」「骨子を作る」「スライドにする」に分けると、どこをAIに任せるかを決めやすくなります

4. メーカー(食品):規程やマニュアルを探して答えるAIエージェントで、「まずAIに聞く」を社内に広げる

課題

グループウェアをMicrosoft 365に切り替え、全社員がCopilotを使える環境は整いましたが、「何を質問すればいいのかわからない」社員が多く、あまり使われていませんでした。以前から社内文書を探せる外部のサービスは使っていましたが、規程の改定や通知のたびに文書を手で登録し直す必要があり、更新漏れが起きていました。

どのように解決したか

社員が普段開いているグループウェアの中で、規程、マニュアル、通知を探して答えるAIエージェントを導入しました。社内の資料を探して答える仕組みはRAGと呼ばれます。今回は、AIが必要な情報を自分で判断して探しにいく形(エージェンティックRAG)にしています。

  1. グループウェアに載せた文書をそのまま使う通知や規程をいつもどおりグループウェアへ掲載するだけで、AIが最新の内容を参照します。AIのために文書を登録し直す作業がなくなりました。
  2. 答えと一緒に参照元を示す回答には根拠にした規程や資料を表示し、社員が自分で確かめられるようにしました。「この件はこの規程を見ればよい」という学びにもつながっています。
  3. 探す範囲と参照先を管理画面で確かめる当初の要件には無かったものの、運用を考えて、探す対象の管理や、参照している情報を確かめられる管理画面も作りました。
  4. 小さく始め、週1回の定例とチャットで直すお客様側の専任の担当者1名と当社のエンジニアで進め、予定より早く開発を終えています。

結果

  • 社内の問い合わせを社員が自分で解決できるようになってきた
  • 「まずAIに聞く」文化が浸透し始めた
  • AIのための文書の登録作業がなくなり、常に最新の情報で答えられるようになった
  • 利用ログから、質問の多い内容や分かりにくい資料が見えるようになり、担当部署へ資料の改善を伝えている

自社で試すときのポイント

  • 新しい画面を用意するより、社員が毎日開く場所にAIを置くほうが使われやすくなります
  • AIがうまく答えられない質問は、元の社内文書の情報不足が原因のことも多くあります。利用ログは文書を直す材料になります
  • 文書の更新を「AIのための作業」にしないことが、長く使い続けるための条件です

5. サービス・インフラの会社(Web制作):LP制作を10〜15分に短縮するAIエージェント

課題

LP制作の依頼は増えている一方で、1枚あたりの単価は下がり、作る手間はほとんど変わっていませんでした。美容やスクールのLPは画像を中心に作るため、デザインの手間も大きくなります。「早く作りたい」「数を作って試したい」という要望も増え、人の手で作り続ける前提では応えきれなくなっていました。

どのように解決したか

  1. どの工程まで自動化できるかを1つずつ確かめる参考にするLPの構成から新しいLPを作れるか、画像が中心のLPをどこまで再現できるかを、個別に確かめるところから始めました。新しい生成AIのモデルが出るたびに試し、結果を見て直す周期を回しています。
  2. 触れる試作品で確かめる初めは出力した結果をファイルで共有していましたが、実際の使い方が想像しにくかったため、早い段階で画面の操作まで含めた試作品に切り替えました。
  3. 参考のLPから構成を作り、HTMLで書き出す管理画面で参考のLPの画像を入れると、LPの構成が自動で作られます。商材の情報、コピー、レイアウトを指定すると、画像つきのLPをHTMLで書き出します。

結果

  • LP制作時間:10〜15分に短縮
  • 構成からデザイン、出力までを自動化
  • 営業の初回の提案で、具体的なLPのイメージを見せる使い方にも広がった

まだ開発途中の試作品の段階で、画像どうしのデザインの統一感、フォントやレイアウトのばらつき、お客様から預かった商品画像の再現などに課題が残っています。

自社で試すときのポイント

  • 生成AIで作るものは、ファイルを見せ合うより、実際に触れる形で確かめたほうが、使う側の意見が集まりやすくなります
  • 複数の画像を並べるLPのような制作物では、1枚ずつの出来より、全体の統一感をどう保つかが課題になります
  • 生成AIのモデルは短い周期で変わるため、新しいモデルで試し直す前提で作ります

6. 広告・マーケティングの会社(動画広告配信):管理画面とAIの分析機能で、手作業のレポートを減らす

課題

動画広告の配信サービスで、成果のレポートを担当者が手作業で作っており、担当者ごとに報告の仕方や内容が違っていました。お客様や販売代理店が自分で配信の状況を確かめられる画面もなく、サービスの価値を伝えにくい状況でした。

どのように解決したか

  1. 何を標準で見せるかを先に決める作り始める前に、「どの数字を、誰に、どのように見せるべきか」を整理しました。担当者ごとにやり方が違うままではシステムにできないため、サービスとして標準で出すものを決め、見せる情報をお客様が本当に必要とするものに絞りました。
  2. 管理画面とAIの分析機能を作るお客様や代理店も使える管理画面を作り、スプレッドシートで管理していた情報もまとめました。そのうえで、AIが数字を分析し、「なぜこうなったか」「次に何をすべきか」のヒントを示す機能を加えています。
  3. 保守と運用を前提に作る商用のサービスとして使い続けるため、最初から直しやすさと運用のしやすさを考えて設計しました。お客様側の稼働は毎週1時間の定例を含めて週4時間ほどで、予定していた4か月より早く進みました。

結果

  • 管理画面を見せながら提案できるようになり、営業の機会が広がった
  • レポートを作る作業が減った
  • AIの分析で、改善の提案まで出せるようになった
  • 少人数でも運用しやすくなった

受注率などの数字での成果は、これから見ていく段階です。

自社で試すときのポイント

  • 担当者ごとにやり方が違う業務は、システムにする前に「標準で出すもの」を決めます
  • 毎月の詳しいレポートを作り込むより、必要な数字をいつでも見られるようにして、そこから読み取れることをAIが添えるほうが、作業を減らせます

ここで紹介した6件は一例です。同じ進め方で、見積書の取り込み、議事録からのタスクの書き出し、採用の書類選考といった業務にも使えます。

業務別に見るAIエージェントの活用事例

AIエージェントとは、指示を受けて、読み取り、照合、下書きといった複数の作業を順につなげて進めるAIの仕組みです。業務ごとに、AIエージェントに任せる作業と人が残す判断を並べると次のようになります。

業務 AIエージェントに任せる作業 人が残す判断
請求書の受け取りから会計システムへの反映 受け取り、項目の抜き出し、発注データとの照合 支払の確定、金額が合わない明細の扱い
経費精算のチェック 領収書の読み取り、規程との突き合わせ 例外の承認、規程の解釈が分かれる申請
契約書の一次レビュー 条項の抜き出し、自社の基準と違う箇所の指摘 交渉の方針、リスクを取るかどうか
受発注メールの処理 発注内容の抜き出し、管理表への反映 在庫と納期の最終回答
見積書の取り込みと価格の比較 明細のデータ化、過去の価格との比較 発注先の決定、価格の交渉
議事録からのタスクの書き出し 決まったことと持ち帰りの仕事を分けて書き出す、課題管理ツールへの登録 担当者と期限の確定
社内問い合わせへの回答 社内の資料の検索、回答の下書き 前例のない相談への回答
商談メモのCRMへの入力 項目の切り出し、CRMの該当欄への転記 案件の見込み、次にやること
提案書の下書き 決まった章の作成、過去の案件からの引用 提案の方針、価格と体制
書類選考 募集要件との突き合わせ、面接で聞く点の抜き出し 合否、評価が分かれる経歴の判断

書類を読み取って照合する業務

請求書、経費精算、見積書は、書式が違っても抜き出す項目がほぼ同じで、正しさを社内の台帳や規程と突き合わせて確かめられます。件数が多く、合っているかを機械で確かめられるため、任せる範囲を広げやすい業務です。

社内の資料から答える・書く業務

社内問い合わせへの回答と提案書の下書きは、上の事例1、3、4と同じ型です。結果を左右するのは、AIが参照する社内の資料が整っているかどうかです。古い規程と新しい規程が両方残っていると、どちらを根拠にしたか分からない回答が出ます。

候補を絞る業務

書類選考や契約書の一次レビューは、AIが見落としを減らす役を担い、落とす判断や交渉の判断は人に残します。AIが外した候補は人の目に入らないため、基準を文書にしてから始めます。

事例に共通する進め方

6件の事例は業種も業務も違いますが、進め方には共通点があります。

6件の事例に共通する進め方 小さな範囲で試し、現場とすり合わせながら直し、効果が見えてから範囲を広げる3段階の流れ ・小さく試す、現場と直す、広げるの順で進めた ・何を良くしたいか(数字や見せ方)を最初に決めた 小さく試す 業務を1つ選ぶ ・社内向けの問い合わせ ・参考LPからの生成 作れるかを確かめる ・構想をそのまま共有 現場と直す 使ってもらう ・担当者が普段の業務で使う 定期的にすり合わせる ・打ち合わせ ・利用ログ 広げる 隣の業務へ ・レポート ・提案資料 範囲を広げる
最初は1つの業務の一部だけを任せ、現場の声で直してから広げます。
どの事例も、いきなり全社の仕組みを作ってはいません。
  1. 1つの業務の一部から始める社内の問い合わせ、参考LPからの生成のように、失敗しても社外に影響が出ない範囲を最初に選んでいます。
  2. 構想の段階から、作る側と使う側ですり合わせる完成した仕様書を待たず、週1回以上の打ち合わせや利用ログで、現場が使いにくい箇所を直しています。
  3. 何を良くしたいかを先に決めるレポートで見せる数字、資料の品質の基準のように、変えたいものを言葉にしてから作っています。
  4. 社内のルールと、普段使っている場所に合わせる外部のツールが使えない会社では社内で契約済みのツールの中で完結させ、社員が普段開くグループウェアから質問できるようにしています。

どの事例でも、最初から全社の仕組みを作ろうとせず、現場が「使える」と感じた後で範囲を広げています。

自社で試すなら、まずどこから始めるか

最初の1業務は、効果の大きさより、うまくいったかどうかを判断しやすいかで選びます。次の3つの条件に当てはまるほど、1件目に向いています。

条件 当てはまる業務の例 当てはまらないときに起きること
月の件数が多い レポート作成、請求書、社内の問い合わせ 効果が見えるまでに時間がかかり、続けるかを決められない
良し悪しの基準を言葉にできる 規程に沿った回答、決まった数字を載せるレポート 基準を文書にする作業が先に必要になり、予定どおりに進まない
出力が社内にとどまる 社内向けの回答、社内で使う下書き 社外に出す前の確認が毎回要り、作業が減りにくい

3つすべてに当てはまる業務から始めると、1件目で結果を示しやすくなります。候補を決めたら、次の順に進めます。

  1. 対象の業務を1つに絞る「経理業務の効率化」のような広い単位ではなく、「毎月の請求書の取り込み」のように作業の単位で決めます。
  2. 始める前の状態を測る1件あたりの作業時間と月の件数を書き出しておきます。後から比べる材料になります。
  3. AIがうまく扱えなかったものの戻し先を決める誰が見て直すのかを、使い始める前に決めておきます。
  4. 既製のツールで足りるかを確かめる判断に自社独自の基準が入るかどうかで、ツールを使うか作るかが分かれます。

まとめ:AI活用事例から自社の最初の一歩を決める

  • 当社の6件のAI活用事例は、どれも1つの業務の一部という小さな範囲から始めた
  • レポート作成は30分から約3分、商材の分析は2日から約10分、提案資料づくりは1人あたり月20時間の削減、LP制作は10〜15分と、作業時間が大きく縮んだ
  • 成果の裏には、担当者の判断や考え方の順番を言葉にしてAIに渡す、社員が普段使う場所に置く、AIが案を出して人が承認する、といった工夫がある
  • 進め方の共通点は、小さく始める、作る側と使う側ですり合わせる、何を良くしたいかを先に決める、社内のルールに合わせるの4つ
  • 業務別に見ると、書類の読み取りと照合、社内の資料からの回答と下書き、候補の絞り込みでAIエージェントを使える
  • 最初の1業務は、件数が多い、基準を言葉にできる、出力が社内にとどまるの3条件で選ぶ

Augueでは、ここで紹介した社内の問い合わせ対応やレポート、資料の作成をはじめ、業務ごとにAIの導入と、社内で使い続けられる形づくりを支援しています。自社のどの業務から始めるかを整理したい方は、是非ご相談ください。

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よくある質問

AI活用の費用はどれくらい見込めばよいですか?

任せる業務の範囲と、社内のどのシステムにつなぐかで大きく変わるため、一律の金額は出せません。見積の前に、対象の業務を1つに絞り、月に何件あって1件に何分かかっているかを数えておくと、かけてよい費用の上限を自社の数字から出せます。上限が決まっていれば、既製のツールで足りるのか、作る必要があるのかも比べやすくなります。

社内の規定で外部のAIツールを使えない場合でも進められますか?

進められます。すでに社内で契約しているグループウェアや業務システムに付いているAI機能の範囲で組む方法や、社内の環境の中にAIを置く方法があります。最初に情報システムの担当者と、社外に出してよいデータと出してはいけないデータを分けておくと、使える方法が絞れます。

複数の部門で同時に始めてもよいですか?

並行させられる本数は、作る側の速さではなく、使う側で出せる人数で決まります。1つの業務を動かすには、何を良しとするかを決める人と、AIがうまく扱えなかったものを見て直す人が要ります。この2役を出せない部門で始めると、確認待ちが積み上がって止まります。最初は1業務、動きが落ち着いてから2つ目を重ねる形が現実的です。

効果が出るまでにどれくらいの期間がかかりますか?

件数や、AIがうまく扱えないものの多さで変わるため、一律の期間は出せません。判断の材料になるのは、始める前に測った1件あたりの作業時間と月の件数、始めた後にAIだけで済んだ割合と人が直した件数です。この2組を同じ数え方で比べれば、自社の数字から見込みを出せます。

現場で使われなくなるのは、どんなときですか?

AIがうまく扱えなかったものの戻し先が決まっていないときと、人が直した内容が次に生かされないときに多く起きます。戻し先が無いと担当者は結局すべてを自分で見直しますし、同じ直しが毎回続くと使う理由がなくなります。直した箇所を記録して、AIに渡す資料や指示へ戻す手順を運用に含めておきます。