契約審査の依頼はどこで止まっているか

契約審査の受付を整えると、法務に依頼が溜まる原因の多くが取り除けます。「法務に出したが返ってこない」という話を分解すると、法務が契約書を読んでいる時間はその一部でしかありません。多くは、読み始める前と読み終えた後に溜まっています。

依頼の入り口が決まっていないと、契約書はメールの添付、チャットの個別メッセージ、打ち合わせの口頭伝達に分かれて届きます。受け取った側は、今いくつ抱えているかを数えられません。数えられないので、どれを先に処理すべきかも決められず、催促の強さが優先順位の代わりになります。

依頼者の側も困ります。出したものが受理されたのか、いつ返ってくるのかが分からないため、「先日の件どうなっていますか」という確認が別のメッセージとして飛びます。その確認に答える作業がさらに時間を取ります。

もう一つの滞留は差し戻しです。相手方の名称は分かるが自社がどちら側なのか書かれていない、期限が書かれていない、添付が最終版か分からない。これらは読み始めてから発覚するため、確認して返し、返事を待ち、再度受け取るまでの往復が1件ごとに加わります。

この記事では契約書の中身をどう読むかではなく、依頼が届いてから法務の手元に載るまでと、載ってから返るまでの扱いを見ていきます。

契約審査の受付で揃っていないと差し戻しになる項目

受付で止めるべきなのは、後から必ず聞くことになる項目です。逆に言えば、法務が読み始めてから依頼者へ聞き返した内容を集めれば、必須項目の一覧はそのまま作れます。

受け取る項目 揃っていないと何が起きるか 受付での扱い
契約書ファイル(最終版か明示) 旧版を読み、指摘が無駄になる 版を示す記載が無ければ受け付けない
契約種別 見る観点が決まらない 選択式にして自由記述にしない
自社の立場(発注側か受注側か) 有利不利の向きが逆に判定される 必須。契約書から推定できても本人に選ばせる
相手方の名称 過去の取引条件を参照できない 必須。取引実績の有無も合わせて確認する
取引の金額と期間 経路と優先順位を決められない 必須。未確定なら見込みと明示して入れる
締結したい日 期限が「なるべく早く」に集約される 日付で必須。理由も短く書かせる
ひな形の出所(自社か相手方か) 必要な作業量が読めない 必須。相手方ひな形は別の経路へ送る
過去の関連契約 同じ相手と矛盾した条件で結ぶ 任意。台帳から自動で引ければ埋める

この一覧を紙のルールとして配っても、埋まらない項目は埋まりません。入力の場で揃っているかを判定し、足りないものを名指しで返す形にして初めて機能します。

受付フォームに置く項目と入力のさせ方

上の項目を受付フォームに落とすときは、入力のさせ方で揃い方が変わります。自由記述の欄を減らし、選択式と日付の欄で受け取るほど、受付の時点で不足を判定できます。

フォームの項目 入力のさせ方 入力の場で確かめること
依頼者と所属部署 社内アカウントから自動で入れる 本人が入力しなくても埋まっているか
契約書ファイル ファイルの添付と「最終版か」の選択 添付があり、最終版かどうかが選ばれているか
契約種別 社内で決めた種別の一覧から選ぶ 「その他」を選んだときに内容の説明があるか
自社の立場 「発注側」「受注側」「その他」から選ぶ 選ばれているか
相手方の名称 取引先の一覧から選ぶ。無ければ新規として入力 新規の相手方かどうかが分かるか
取引の金額と期間 金額は数字、期間は開始日と終了日で入れる 未確定のときに「見込み」の印が付いているか
締結したい日と理由 日付と、1〜2行の理由 日付が今日より後か
ひな形の出所 「自社」「相手方」「どちらでもない」から選ぶ 選ばれているか
相手方と話が済んでいる点 自由記述(任意) なし。法務が読む前の参考として受け取る

いちばん下の欄は任意にしています。値引きや納期のように営業の場で既に合意した条件があると、法務がそれを知らずに修正を入れて話が振り出しに戻ることがあるためです。必須にすると空欄を埋めるための書き込みが増えるので、書ける人だけが書く欄として置きます。

申告と契約書の中身の食い違いを受付で拾う

判定の大半は項目の有無なので、通常のプログラムで書ける範囲です。AIが要るのは、添付された契約書の中身と申告内容が食い違っている場合の指摘です。契約種別に業務委託と書かれているが中身が売買である、自社の立場が受注側と申告されているが署名欄では発注側になっている、といった食い違いは、読まないと分かりません。ここを受付の時点で拾えると、経路を間違えたまま順番待ちに入る依頼が減ります。

なお、指摘は「差し戻し」ではなく「確認」として返します。機械側の読み取りが外れている場合もあるため、依頼者が「申告のとおりで正しい」と答えられる余地を残しておきます。

契約種別と金額で経路を分ける

全件を同じ深さで見ている限り、件数が増えれば必ず溢れます。受付で経路を分け、法務が読む対象を絞ります。

分ける軸は2つで足ります。契約種別と、取引の金額です。種別は見る観点の量を決め、金額は外した場合の影響の大きさを決めます。

金額の線は新しく作らず、社内の決裁基準をそのまま使います。稟議の決裁区分と別の線を引くと、稟議は部長決裁だが法務審査は役員承認が要る、といった食い違いが起きて、依頼者はどちらに従えばよいか分からなくなります。

依頼の区分 分ける条件 経路
形式確認で済むもの 自社ひな形のまま、金額が社内の下位区分 差分が無いことを確認して締結へ進む
一次レビューを付けるもの 自社ひな形に修正が入っている、または定型の契約種別 機械側で差分と論点を整理し、法務が採否を決める
法務が最初から読むもの 相手方ひな形、金額が上位区分、非定型の種別 一次レビューの結果は添えるが、通読を前提にする
種別によらず法務へ回すもの 海外の当事者、準拠法が日本法以外、新規事業に伴うもの 金額の大小によらず経路を固定する

いちばん下の行は、条件を金額から切り離すために別に置いています。少額でも前例の無い取引は、後から影響が出る余地が大きく、金額を基準にすると取りこぼします。

区分は依頼者に選ばせず、受け付けた内容から機械側で決めます。依頼者に選ばせると、急ぎたい案件が下の区分へ寄り、時間をかけたい案件が上へ寄ります。どちらも本人には合理的な選択で、仕分けとしては機能しません。

ひな形どおりなら審査を省く条件

形式確認で済ませる区分を作るかどうかは、件数の削減として最も効きます。同時に、条件を曖昧にすると素通りが起きる場所でもあります。省いてよいのは、次がすべて満たされた場合に限ります。

  • 自社ひな形の最新版と本文の差分が無い(空欄の埋め込みを除く)
  • 空欄に入った値が、あらかじめ決めた範囲に収まっている(期間、支払条件、解約予告の日数など)
  • 別紙や覚書が付いていない、または付いていても定型の様式である
  • 相手方が反社会的勢力の排除に関する条項を削っていない
  • 金額が社内で定めた下位区分に収まっている

差分が無いことの判定は機械側で確定できます。難しいのは2つめで、空欄に入る値には幅があるため、どこまで認めるかを条項ごとに決めた表(以下、範囲表)が要ります。この範囲表が無いまま「ひな形どおりなら省く」を始めると、金額欄だけ見て通す運用になります。

省いた依頼も記録は同じ形で残します。後から「この契約は誰も読んでいないのか」と問われたときに、いつ、どの版のひな形と比べ、どの条件で省いたかを示せる状態にしておきます。記録が残っていれば、範囲表を変えたときに影響を受ける既存契約も探せます。

締結してからの期限や条件の管理は、審査の記録とは別の台帳の仕事になります。

期限と進捗をどう持つか

期限を「なるべく早く」で受け取ると、すべての依頼が同じ優先度になります。依頼の時点で締結したい日を必須にし、そこから逆算した日付を法務側の期限として持ちます。

逆算では、相手方との往復に要る日数を見込みます。修正を返してから相手方の回答が戻るまでの時間は自社では動かせないため、ここを見ていないと「法務は期限内に返したが締結には間に合わない」という結果になります。依頼を受けた時点で、逆算した日付が既に過ぎている場合はその場で知らせます。後から判明するより、条件を変える余地が残ります。

進捗は、依頼者が自分で見られる場所に置きます。状態は細かく分けず、依頼者が次に何をすべきかで区切ります。

状態 誰が動いているか 依頼者が次にすること
受付の確認中 機械側 待つ(不足があれば指摘が届く)
依頼者の返答待ち 依頼者 不足項目を埋めて返す
一次レビュー中 機械側 待つ
法務の判断待ち 法務 待つ(期限が近ければ督促が届く)
相手方の回答待ち 依頼者 相手方へ返し、回答を登録する
完了 — 締結の手続きへ進む

督促は、止まっている側へ出します。法務の判断待ちで期限が近ければ法務へ、相手方の回答待ちが続いているなら依頼者へ出します。全員へ同じ通知を送ると、自分宛でない通知が混ざって読まれなくなります。

通知の文面には、何が足りないかと期限までの残り日数を入れます。「対応をお願いします」だけの通知は、受け取った側が元の依頼を開き直すところから始まるため、督促としての効果が薄くなります。

契約審査の受付後に依頼者へ返す内容

受付を済ませたら、その場で依頼者へ受付の結果を返します。返す内容が決まっていないと、依頼者は「受理されたのか」「いつ返ってくるのか」を別のメッセージで聞くことになり、冒頭で見た確認のやり取りがそのまま残ります。

返す内容 何を書くか 依頼者にとっての使い道
受付番号 依頼ごとに1つ振る番号 問い合わせや追加の資料を送るときに、どの依頼の話かを示せる
受け付けた日時 受付が済んだ日時 依頼を出した記録として残せる
決まった経路 形式確認・一次レビュー付き・法務が通読のどれか 返ってくるまでの重さの見当が付く
法務から返す予定の日 締結したい日から逆算した日付 相手方へいつ返事できるかを伝えられる
確認したい点 申告と契約書の中身が食い違っている箇所など 返答すべきことが分かる。無ければ「なし」と書く
進捗を見る場所 状態を確認できる画面のリンク 「どうなっていますか」と聞かずに済む
急ぎのときの連絡先 経路の変更を相談する窓口 締結日が早まったときの行き先が分かる

返す予定の日が締結したい日に間に合わない場合は、そのことを受付の返信に書きます。 間に合わない理由が相手方とのやり取りの日数なのか、法務の手が空いていないのかを分けて書くと、依頼者は締結日を動かすか、相手方に先に連絡するかを選べます。

経路が形式確認に決まった依頼は、この返信の時点で締結へ進めてよいことも伝えます。法務が読まない依頼にまで返事を待たせると、省いた意味がなくなります。

受付から督促までを機械側へ寄せる

ここまでの工程を並べると、機械側に寄せられる範囲と、法務が持つ範囲が分かれます。

契約審査の依頼が受付から仕分けを経て3つの経路へ分かれ、進捗が追われる流れ 事業部門の依頼を受付で確認し、不足があれば依頼者へ返す。揃った依頼を契約種別と金額で仕分け、形式確認で締結へ進むもの、一次レビューを付けるもの、法務が通読するものへ分ける。いずれも期限までの進捗を追い、止まっている側へ督促を出す。 機械が処理する 人が判断する 事業部門からの依頼 受付と不足の確認 種別と金額で仕分け 形式確認で締結へ 一次レビューを付ける 期限までの進捗を追い、止まっている側へ督促 法務が判断する 契約書・種別・立場・期限 申告と中身の食い違いも見る 決裁基準の線をそのまま使う ひな形と差分なし 差分と論点を整理する 修正方針とリスクの許容 通知には不足の内容と残り日数を書く 不足があれば依頼者へ返す
受付・仕分け・一次レビュー・督促までを機械側が持ち、修正方針とリスクの許容は法務が判断します。
不足の確認は差し戻しではなく、依頼者が答えられる形で返します。

機械側が持つのは、依頼の受け取り、不足の指摘、経路の決定、差分と論点の整理、進捗の記録と督促です。どれも「決まった条件に照らして分ける」作業で、判断の結果を左右しません。

一方で、経路を決める条件そのものと、範囲表の中身は法務が決めます。仕分けは条件に従うだけなので、条件が実態と合っていなければ、間違った経路へ正確に流し続けます。

法務が判断を持つ範囲

受付側の仕組みが厚くなるほど、法務の作業は減ります。それでも法務が持ち続けるものが、次の3つです。

  1. 修正方針の決定相手方の条件をそのまま受けるか、修正を求めるか、代替案を出すかの選択です。同じ差分でも、相手との力関係や取引の重要度で答えが変わります。機械側が出せるのは「自社ひな形と違う」という事実までで、その先は取引の事情を知らないと決められません。
  2. リスクの許容条件が自社に不利であることを認めたうえで、今回は受け入れるという判断です。ここは記録の残し方が重要で、誰が、どの条件について、どういう理由で認めたかを残しておくと、次に同じ条件が来たときに一から議論せずに済みます。理由が残っていないと、担当者が代わるたびに判断が揺れます。
  3. 経路と条件の見直し形式確認で済ませる範囲、範囲表の値、法務が通読する条件は、実際の結果を見て変えます。形式確認で通したもののうち後から問題になったものがあれば条件を狭め、法務が通読したもののうち毎回修正なしで終わっている種別があれば広げます。

見直しの材料は、抜き取りでの確認から取ります。形式確認で締結したものから毎月いくつかを選んで読み、条件が妥当だったかを見ます。全件を見る必要はありませんが、確認をやめると条件が実態から離れたことに気付けません。

溜まり具合をどう測るか

改善したかどうかは、法務の処理件数では判定できません。件数は依頼の量で動くためです。見るのは次の4つです。

見る数字 何を数えるか どう読むか
依頼から返答までの日数 中央値に加えて、特に長くかかった依頼の日数 平均が短くても、月に数件が2週間かかっているなら依頼者の受け止め方は変わらない
差し戻しの回数 1件あたり何往復したか 受付の必須項目が機能していれば減る
経路ごとの件数と比率 形式確認・一次レビュー付き・通読のそれぞれの件数 形式確認の割合が想定より低いなら、ひな形が守られていないか、範囲表が狭すぎる
期限を過ぎた件数 逆算した日付を過ぎた依頼の数 督促が効いているかどうかがここに出る

これらは日付と区分から機械的に数えられるため、依頼の記録が1か所に集まっていれば追加の作業は要りません。逆に、依頼がメールとチャットに分かれたままだと、どれも数えられません。受付を1か所に寄せる効果は、審査の効率より先にここに出ます。

作業時間そのものより待ち時間のほうが長い業務では、どこで止まっているかを測る順序が結果を左右します。

何から着手するか

最初から全部を組む必要はありません。順序を守ると、途中でも効果が出ます。

  1. 受付を1か所に寄せる。仕組みを作る前に、依頼の届く場所を1つに決めます。ここが決まらないと、後の工程は一部の依頼にしか効きません
  2. 必須項目を決めて、揃っているかを判定する。差し戻しの往復がここで減ります。判定は項目の有無なので、複雑な処理は要りません
  3. 状態と期限を持つ。依頼者が進捗を見られるようにします。「どうなっていますか」の確認が減り、督促の土台にもなります
  4. 経路を分ける。契約種別と金額で区分を決めます。この時点では一次レビューが無くても、法務が読む順序は決まります
  5. 形式確認の区分を作る。ひな形との差分判定と範囲表を用意します。件数の削減が最も大きいのはここですが、範囲表が要るため後に置きます
  6. 一次レビューを付ける。差分と論点の整理を機械側で行い、法務の手元に載せます

1から3までは契約書の中身を読まずに組めるため、判定の精度を気にせず始められます。 読む処理を先に作ると、精度の検証に時間がかかり、その間は受付の問題が残ったままになります。

まとめ:契約審査の受付を整えるときの要点

  • 法務に溜まっているのは読む時間だけではない。入り口が分かれていることと、差し戻しの往復が待ち時間を作る
  • 必須項目は、法務が過去に聞き返した内容から作る。紙のルールではなく、入力の場で判定して名指しで返す
  • 受付フォームは選択式と日付の欄を中心にし、自由記述を減らす。相手方と話が済んでいる点は任意の欄で受け取る
  • 申告と契約書の中身の食い違いは受付で拾う。ここを外すと、間違った経路のまま順番待ちに入る
  • 経路は契約種別と金額で分ける。金額の線は稟議の決裁区分を流用し、別の基準を作らない
  • 海外の当事者や前例の無い取引は、金額によらず法務へ回す経路を固定する
  • 区分は依頼者に選ばせず、受け付けた内容から決める。選ばせると急ぎたい案件が軽い区分へ寄る
  • 形式確認で省けるのは、ひな形と差分が無く、空欄の値が範囲表に収まっている場合に限る。省いた依頼も記録は同じ形で残す
  • 期限は締結したい日から逆算し、相手方との往復に要る日数を見込む。逆算した日付が既に過ぎていれば受付の時点で知らせる
  • 受付の後は、受付番号・決まった経路・返す予定の日・確認したい点・進捗を見る場所を依頼者へ返す。締結日に間に合わないなら受付の返信に書く
  • 進捗の状態は、依頼者が次に何をすべきかで区切る。督促は止まっている側だけに出す
  • 法務が持ち続けるのは、修正方針の決定、リスクの許容、経路と条件の見直しの3つ
  • 効果は処理件数ではなく、返答までの日数(特に長くかかった依頼)、差し戻しの回数、経路ごとの比率、期限超過の件数で測る
  • 着手は受付の一本化から。契約書を読む処理は後に回しても、途中の段階で効果が出る

Augueでは、契約審査の受付や仕分けのように、判断の前後にある事務を既存の業務の流れへ組み込む形での開発に対応しています。自社の契約審査のどこまでを受付側で吸収できるか整理したい方は、是非ご相談ください。

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よくある質問

法務向けのワークフローシステムを入れれば、同じことができるのではないですか?

受付の画面と状態の管理までは製品で足ります。分かれるのは、届いた契約書の中身を読んで仕分けや不足の指摘を行う部分です。製品側の分岐は依頼者が選んだ入力値で動くため、選択を間違えた依頼はそのまま間違った経路へ流れます。導入済みの製品がある場合は、入れ替えるのではなく、その受付項目と状態をそのまま使って判定だけを足す形が現実的です。

法務の担当者が1人、または他業務と兼務の場合でも効果はありますか?

人数が少ないほど、依頼が個人のメールと記憶の中にある状態になりやすく、担当者が不在の日に何も進まなくなります。残件と期限が外から見える形になること自体が効果で、審査の自動化はその次です。ただし件数が月に数件なら、仕組みを作るより受付先を1か所に決めて必須項目を書面化するだけで足りる場合があります。

依頼の量がどれくらいから、仕組みを作る価値が出ますか?

一律の件数は出せません。判断に使うなら、月あたりの依頼件数より、差し戻しの回数と、依頼から返答までにかかった日数のばらつきを先に測ります。件数が少なくても、1件あたり2往復も差し戻していたり、返答が3日のときと3週間のときが混在していたりするなら、受付側で吸収できる余地が残っています。

事業部門が仕分けの結果に納得しない場合はどうしますか?

経路の変更を依頼できる窓口を1つ用意し、変更した記録を残します。急ぎを理由に経路を上げる要求は繰り返し出るため、誰の承認で上げられるかを先に決めておきます。変更が特定の契約種別に集中しているなら、仕分けの条件が実態と合っていないので、個別に対応せず条件のほうを直します。

過去の審査履歴は、仕組みを作るときにどう使えますか?

依頼の経路を決める条件を作るときの材料になります。過去の依頼を契約種別と金額で並べ、そのうち法務が実際に修正を入れたものの割合を見ると、どの区分が形式確認で済んでいたかが分かります。履歴が個人のメールにしか無い場合は遡らず、新しい依頼から記録を貯める形で始めるほうが早く回り始めます。